公共交通技術特化型イノベーションプラットフォーム

自動運転バスの運行開始とその効果

石川県小松市は、2024年3月から自動運転バスの通年運行をスタートし、地域に新たな交通インフラを提供しています。バスの運行は、一般道路を使用し、特に過疎地や公共交通の利用が少ない地域の交通ニーズに応える形で実施されています。運行開始から195日目となる2024年9月19日には、累計利用者数が1万人を突破。この結果は、地方都市における自動運転技術の導入が、地域社会の交通アクセス改善に大きく寄与していることを示しています。従来のバス路線と比較し、年間を通じて平均利用者数が2倍以上に増加しており、地域住民からの評価も高まっています。

レベル4に向けた取り組みと技術の活用

小松市では、自動運転技術のさらなる発展を目指し、レベル4（完全自動運転）の実現を視野に入れた取り組みが進められています。現在のバスは、遠隔監視システム「Dispatcher」やBOLDLY社およびティアフォー社の高精度な3D地図データを使用し、安全な運行を確保しています。これにより、運転手不在での自動運転が可能になり、特に運転手不足が問題となっている地域において、交通の安定供給が期待されています。また、自動運転バスの安全性を確保するために、リアルタイムの監視や緊急停止機能も装備されており、乗客の安心感を向上させています。

持続可能な交通システムを目指す次なるステップ

小松市の自動運転バスプロジェクトは、今後さらに進化することが期待されています。具体的には、より多くの地域への展開を視野に入れ、他の交通機関との連携も強化していく予定です。バスの運行データを活用し、運行経路の最適化や効率的なバス配車の実現を目指すとともに、都市間交通の強化にも貢献することが期待されています。これにより、交通弱者へのサポートが強化され、全住民が公平に交通サービスを利用できる社会の実現に向けた取り組みが進められています。

まとめ

• 2024年3月、小松市は自動運転バスを導入し、地域交通の利便性を向上。
• 利用者数が2024年9月に1万人を突破し、交通ニーズに応える形で運行中。
• レベル4自動運転を目指し、先進技術を活用した安全運行体制を構築。
• 今後の展望として、持続可能な交通インフラのさらなる拡大と、都市間交通の強化が期待されています。

参考　自動運転バス導入事業について／小松市ホームページ (komatsu.lg.jp)