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京セラと北海道大学、雪上を駆ける中速・中型無人自動配送ロボットの走行試験に成功!

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雪上無人自動配送ロボット開発の背景と目的とは?

2025年2月、京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)と北海道大学は、国内初となる雪上を走行可能な中速・中型自動配送ロボットの共同開発に成功し、準公道での走行試験を実施しました。この取り組みは、積雪や降雪環境下での物流課題を解決するためのものです。日本の国土の約半分が豪雪地帯とされ、冬季の配送員不足や物流の停滞が深刻な社会問題となっています。KCCSは、無人自動配送ロボットを活用し、誰もが安心・快適に住み続けられるまちづくりを目指しており、2021年から北海道石狩市を中心に技術検証を行ってきました。その中で、積雪・降雪環境下での走行技術の必要性が高まり、北海道大学との共同開発に至りました。

雪上無人自動配送ロボットの技術的課題と解決策を解説!雪上走行を実現するための工夫とは?

雪上走行の自動配送ロボットを開発するにあたり、以下の技術的課題がありました:

  • 降雪時に雪粒を障害物と誤認識し、ロボットが自動的に停止してしまう問題。この課題に対しては、AIによるノイズ除去技術を導入し、降雪量約3cm/hの環境下や除雪路において、時速10~15kmでの安定走行を実現しました。
  • 積雪や降雪により周囲の環境が変化し、LiDARによる自己位置推定が不安定になる問題。これを解決するため、GPSなどを活用して補正を行い、正確な自己位置推定を可能にしました。
  • 降雪時にカメラに雪が付着し、視界が悪化する問題。この対策として、カメラにヒーターフィルムを装着し、融雪を促進することで視界を確保しました。

これらの技術的課題を克服することで、雪上走行の自動配送ロボットの実現に成功しました。

雪上無人自動配送ロボットの今後の展望は?

今回開発された自動配送ロボットは、国内メーカーのミニカー規格車両をベースに、KCCSが新たに車体を自社開発しました。これにより、走行環境に応じた車体のチューニングや積載部分のカスタマイズが可能となり、さまざまな事業者のニーズやサービス用途に対応できます。ロボットのサイズは、長さ2.5m以下、幅1.3m以下、高さ2.0m以下で、最高速度は時速15kmです。走行中は遠隔から監視者がモニタリングし、状況に応じて遠隔操縦を行います。今後は、さらなる技術の改良や実証実験を重ね、雪上走行の自動配送ロボットの実用化を目指します。これにより、豪雪地帯における物流課題の解決や、地域住民の生活利便性の向上が期待されます。

まとめ:京セラと北海道大学、雪上を駆ける中速・中型無人自動配送ロボットの走行試験に成功!

  • KCCSと北海道大学が共同で、雪上走行可能な中速・中型自動配送ロボットを開発。
  • 降雪時の障害物誤認識や自己位置推定の不安定さ、カメラの視界不良などの技術的課題を解決。
  • 車体の自社開発により、さまざまなニーズやサービス用途に対応可能なロボットを実現。
  • 今後も技術改良や実証実験を進め、豪雪地帯の物流課題解決と地域住民の生活利便性向上を目指す。

参考文献

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