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阪神高速、ETC専用化を大幅拡大!2025年6月までに新たに28か所の料金所で導入へ

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阪神高速道路は2025年2月7日、2025年3月から6月にかけて新たに28か所の料金所を「ETC専用」とする方針を発表しました。この決定は、交通の円滑化、料金所業務の効率化、そして将来的な完全キャッシュレス化に向けた重要な一歩です。

近年、高速道路ではETC専用化が加速しており、阪神高速もその流れを踏襲しています。これまでに首都高速や東名高速の一部でETC専用化が進められ、利便性が向上してきました。今回の阪神高速の決定も、交通量の増加に対応し、料金所の混雑を減らす狙いがあります。

この記事では、阪神高速のETC専用化の背景、技術的な課題、導入されるシステムの詳細、今後の展望について詳しく解説します。

 

ETC専用化の背景とは?導入の狙いを解説!

阪神高速がETC専用化を進める背景には、交通渋滞の軽減、料金収受業務の効率化、そして長期的なコスト削減の3つの要素があります。

1. 交通渋滞の軽減

高速道路の料金所は、混雑の大きな要因の一つです。特に現金決済の場合、ドライバーが小銭や紙幣を用意し、係員が受け取るまでの時間が発生します。このわずかな時間の積み重ねが渋滞を引き起こし、道路の流れを悪化させます。

ETC専用化によって、すべての車両が無停車で料金所を通過できるようになるため、交通の流れがスムーズになり、渋滞の解消につながります。

2. 料金収受業務の効率化

現金決済の料金所では、人手を必要とするため、運営コストが高くなります。特に人員不足が問題視される中、効率的な料金徴収システムが求められています。

ETC専用化により、料金収受の完全自動化が可能になり、有人料金所の維持コストを削減できます。また、阪神高速によると、料金収受員の業務負担の軽減や、人件費削減も重要な要素となっています。

3. 長期的なコスト削減

ETC専用料金所は、維持管理費も低く抑えられます。現金決済の料金所では、設備の老朽化や機器のメンテナンスにかかるコストが増加しますが、ETC専用化により運営コストを大幅に削減できます。

 

ETC専用化で解決すべき技術的課題とは?システム構成をチェック!

ETC専用化の拡大には、いくつかの技術的な課題が伴います。ここでは、特に重要な課題とその対策について解説します。

1. ETC未搭載車両への対応

ETC専用化により、ETCを搭載していない車両は通行できなくなります。これに対し、政府や高速道路会社は、ETC車載器の普及促進を進めるとともに、一時的な対応策として「ETC未搭載車向けの緊急退避レーン」の設置などを検討しています。

2. システムの信頼性向上

ETCシステムは、通信障害や機器トラブルの影響を受ける可能性があります。特に、通行台数が多い阪神高速では、一度のシステムダウンが大規模な混乱を引き起こす可能性があります。

このため、システムの冗長化や、リアルタイムでの監視機能を強化し、万が一のトラブル時にも迅速に対応できる体制を整えることが求められています。

3. 不正利用防止

ETCは便利なシステムである一方、不正利用のリスクもあります。例えば、ナンバープレートを変更して不正通行を試みるケースなどが報告されています。

阪神高速では、ETCゲートに設置されたカメラを活用し、ナンバー認識システムと組み合わせることで不正通行を防止する計画です。また、AIを活用した異常検知システムの導入も検討されています。

 

ETC専用化の今後の展望は?さらなる拡大と課題解決に期待!

阪神高速では、2030年度頃までにすべての料金所をETC専用化する方針を掲げています。これにより、関西圏の高速道路ネットワーク全体がキャッシュレス化され、利便性が向上します。

ただし、ETC専用化には依然として解決すべき課題が残されています。特に、ETC未搭載車両への対応や、システムの安定稼働が今後の焦点となります。

政府や道路管理会社は、ETCの普及率向上に向けたインセンティブを検討しており、例えばETC車載器の補助金制度や、新規登録車両へのETC標準搭載義務化などの施策が議論されています。

 

まとめ

  • 阪神高速道路は2025年3月から6月にかけて、28か所の料金所をETC専用化する予定です。
  • ETC専用化の背景には、交通渋滞の緩和や料金収受業務の効率化、長期的なコスト削減があります。
  • ETC未搭載車両の対応、システムの信頼性向上、不正利用防止が今後の技術的課題です。
  • 2030年度頃までに全料金所のETC専用化を目指しており、さらなる拡大と課題解決が期待されています。

 

参考文献

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