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東武バス日光とヤマト運輸、宅急便をバスで一緒にお届け!日光の新たな試みでいろは坂の渋滞解消へ
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東武バス日光とヤマト運輸がタッグ!路線バスで宅急便輸送開始
2025年2月20日、東武バス日光とヤマト運輸は、栃木県日光市で「客貨混載」サービスを開始しました。これは、一般旅客を輸送する路線バスに宅急便を積載し、荷物と人を同時に運ぶ新たな物流施策です。現在、東武日光駅から中禅寺温泉へ向かうバス路線で試験運用がスタートし、今後の拡大も検討されています。
この施策の目的は、いろは坂周辺の渋滞緩和と物流の効率化です。観光シーズンには多くの観光客が訪れるため、いろは坂の交通量が増加し、宅配トラックの運行が困難になることがあります。そこで、既存の公共交通機関を活用し、観光客と荷物を一緒に輸送することで、地域全体の交通負担を軽減しようとしています。
バスで荷物も運ぶ!運用システムと技術的工夫とは?
この客貨混載システムでは、ヤマト運輸の配送拠点から東武日光駅までトラックで荷物を輸送し、駅前のバス停でバスに積み替えます。対象となるバスは、毎日15時13分発の東武バス日光の定期便で、終点の中禅寺温泉まで運行されます。
技術的なポイントとして、バスの荷物スペースを有効活用することが挙げられます。今回の取り組みでは、新たに特別な車両改造は行わず、既存のバスの荷物置き場やトランクルームを使用して荷物を収納します。ヤマト運輸の専用ボックスを導入し、バスのスペースを最大限活用しながら、荷物の安全な輸送を可能にしました。
さらに、荷物の管理にはICタグやQRコードを活用し、リアルタイムでの配送追跡が行われます。これにより、運行状況や荷物の受け渡し状況を即時に確認でき、万が一のトラブルにも迅速に対応できる体制が整えられています。また、バス会社の運行管理システムとヤマト運輸の物流システムが連携することで、配送状況のリアルタイムモニタリングが可能となりました。
環境負荷の低減!いろは坂の渋滞対策とCO2削減への期待
今回の取り組みは、環境面でも大きなメリットをもたらします。従来、観光地への宅配業務には複数のトラックが運行しており、特に観光シーズンには交通量の増加が渋滞を引き起こしていました。しかし、バスを活用することで、トラックの運行回数を削減し、CO2排出量の低減を実現できます。
例えば、現在の日光エリアにおけるヤマト運輸の配送トラックの走行距離を試算すると、1日あたり約50kmの短縮が可能になるとされています。年間に換算すると、CO2排出量の削減効果は大きく、持続可能な観光地運営に貢献することが期待されています。
また、いろは坂の渋滞対策としても有効です。観光シーズンには自家用車や観光バスが集中し、特に週末や連休には大きな渋滞が発生します。宅配業務の一部を路線バスに統合することで、業務用車両の台数が減り、道路の混雑緩和につながります。これは、地域住民の生活利便性向上にも寄与する取り組みとなります。
今後の展開と課題
今回の客貨混載の取り組みは、今後の展開にも期待が寄せられています。日光市内の他の路線や、全国の観光地への展開が検討されています。特に、山間部や離島などの物流効率が悪い地域では、同様の仕組みが活用できる可能性があります。
一方で、運用上の課題もあります。例えば、荷物量の変動への対応や、悪天候時の運行管理など、実証実験を通じて改善すべき点も明らかになってきています。また、旅客と荷物の両方を安全に運ぶための法的整備や、事故時の責任分担についても、関係各所での調整が求められます。
まとめ:東武バス日光とヤマト運輸、宅急便をバスで一緒にお届け!日光の新たな試みでいろは坂の渋滞解消へ
- 東武バス日光とヤマト運輸が、2025年2月20日から客貨混載サービスを開始。
- バスの荷物スペースを活用し、特別な改造なしで宅急便を輸送。
- 荷物の管理にはICタグやQRコードを活用し、リアルタイム追跡を可能に。
- CO2排出量の削減といろは坂の渋滞緩和が期待される。
- 今後、他の地域や観光地での展開が検討されているが、運用上の課題もある。
参考文献
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