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2024年10月、飯野海運株式会社は国内初となるメタノール二元燃料を採用したVLCC(大型原油タンカー)の建造を決定
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2024年10月、飯野海運株式会社は国内初となるメタノール二元燃料を採用したVLCC(大型原油タンカー)の建造を決定しました。これは、出光タンカー、日本郵船、日本シップヤード(NSY)と共同で行われるプロジェクトであり、同船は2027年に竣工予定です。この次世代環境対応型VLCCは、環境負荷を大幅に削減するため、メタノールと重油の二元燃料を使用できる設計となっています。
次世代環境対応型VLCCとは?
このVLCCは、メタノールを使用することで温室効果ガス(GHG)の排出を大幅に削減する環境対応型タンカーです。特に、燃料としてメタノールを使用することで、従来の重油と比べて二酸化炭素(CO2)の排出量を約15%削減できます。さらに、バイオメタノールやe-メタノールといったグリーンメタノールを使用することで、CO2排出を実質ゼロにすることも可能です。
建造計画と技術的特徴
飯野海運の新造VLCCは、全長339.5メートル、型幅60メートルのマラッカマックス型で、メタノールと重油の二元燃料主機を搭載しています。また、航行中の電力を確保するための軸発電機と、風力を利用して推進力を補助する「ローターセイル」も採用されています。これらの技術により、エネルギー効率設計指標(EEDI)の基準を40%以上クリアし、2025年に施行される規制にも対応することができます。
日本の海運業における革新
このプロジェクトは、飯野海運、出光タンカー、日本郵船、NSYの4社によるコンソーシアムによって進められています。日本のエネルギー輸送の主軸となるVLCCは、2050年までにカーボンニュートラルを達成するための重要なステップとなります。特に、メタノールを主燃料とするこの船舶は、国際的な環境規制に適合しつつ、経済的かつ持続可能なエネルギー輸送を実現します。
まとめ
- 2024年10月、飯野海運がメタノール二元燃料を使用するVLCCを建造すると発表。
- このプロジェクトは出光タンカー、日本郵船、日本シップヤードとの共同開発。
- メタノールと重油の二元燃料を使用し、CO2排出量を15%削減可能。
- 2027年に竣工予定で、風力補助装置「ローターセイル」も搭載。
参考:Lnews
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