公共交通技術特化型イノベーションプラットフォーム

ANA、羽田空港で上級会員向けカウンターを12月に刷新！

全日本空輸（ANA）は、2024年12月から、羽田空港国内線における上級会員向けのチェックインカウンターを大幅にリニューアルすると発表しました。この刷新は、ANAマイレージクラブの上級会員やプレミアムクラス利用者がより快適かつスムーズに空港手続きを行えるように設計されています。特に注目されるのは、ダイヤモンドサービスメンバー専用の「ANA SUITE CHECK-IN」が12月2日にリニューアルオープンする点です。この専用カウンターは、プライバシーを重視した設計と快適な空間が特徴で、上級会員に特別感を提供します。

さらに、「ANA PREMIUM CHECK-IN」の北側は12月18日に、南側は2025年夏にリニューアルされる予定です。これらの施設は、最新のデザインと先端技術を取り入れ、利用者の利便性と空港の機能性を向上させることを目指しています。

PC・液体物の取り出し不要！最新の保安検査技術を導入

ANAが新たに導入する保安検査技術は、従来の不便さを解消する画期的なものです。現在、多くの空港では保安検査の際にパソコンや液体物を手荷物から取り出す必要がありますが、新技術の導入により、この手間が省かれます。これは、最新のCT（コンピュータ断層撮影）スキャナー技術を活用することで、手荷物の中身を詳細にスキャンし、高精度で危険物を判別できるようになったためです。

この技術の導入により、保安検査のスピードが大幅に向上するだけでなく、乗客のストレスも軽減されます。特にビジネス旅行者や時間に制約のある利用者にとって、この改善は大きなメリットとなるでしょう。ANAは、このシステムを通じて「快適な旅の始まり」を提供することを目指しています。

スマートレーンの導入で保安検査がよりスムーズに

保安検査場には「スマートレーン」と呼ばれる最新設備が導入されます。この技術は、手荷物を複数のトレイに分けることなく、スムーズに処理できる設計になっており、従来の検査方法に比べて効率が向上しています。具体的には、以下のような機能があります：

• 複数の乗客が同時に手荷物をトレイに置くことができる並列処理システム
• 検査済みトレイの自動回収機能で待ち時間を短縮
• AIを活用した手荷物スキャンの最適化

スマートレーンは、羽田空港国内線のA・B・C検査場に順次設置されており、これにより利用者の体験が大きく改善されると期待されています。ANAは、これらの技術を通じて、利用者がよりスムーズに検査を通過し、空港での時間を効率的に活用できるよう取り組んでいます。

技術導入の背景と今後の課題

ANAがこのような最新技術を導入する背景には、空港の混雑緩和と利用者満足度の向上があります。航空業界は、近年の旅行需要の増加に対応するため、効率的な手続きや保安検査の迅速化が求められてきました。ANAは、こうした市場のニーズに応える形で、保安検査場やチェックインカウンターの設備を強化しています。

しかし、これらの技術には今後解決すべき課題も存在します。一部の保安検査技術は高コストであり、全ての空港に導入するには時間と予算が必要です。また、新技術の運用に際しては、利用者やスタッフへの教育や、技術が誤作動した場合の対応策を構築する必要があります。これらの課題を克服しながら、ANAはさらなる利便性向上を目指しています。

まとめ

• ANAは2024年12月より、羽田空港国内線の上級会員向けチェックインカウンターをリニューアルし、快適性を向上させます。
• 保安検査場には最新技術を導入し、パソコンや液体物の取り出しが不要になり、検査が迅速化されます。
• スマートレーンの導入で検査場の効率が向上し、利用者の負担が軽減されます。
• 技術導入の背景には、混雑緩和や満足度向上のニーズがあり、今後の課題としてコストや運用体制の整備が挙げられます。

参考

ANA、「ANA SUITE CHECK-IN」と「ANA PREMIUM CHECK-IN」を順次リニューアル - 日本経済新聞

羽田空港（国内線）A・B・C検査場のスマートレーンのご案内