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飯野海運、LPG二元燃料VLGCに風力推進装置ローターセイルを導入して脱炭素化を加速!

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海運業界が変わる!風力推進装置ローターセイルで環境に優しい輸送を実現

2024年11月、飯野海運は最新のLPG二元燃料大型LPG運搬船(VLGC)「OCEANUS AURORA」に、革新的な風力推進補助装置であるローターセイルを2基搭載しました。この装置は、フィンランドのNorsepower社によって開発された技術で、風の力を活用して船の燃料消費量を削減します。
ローターセイルの導入により、飯野海運は国際海事機関(IMO)が掲げる脱炭素目標に応えると同時に、経済的な運航の実現を目指しています。環境対応とコスト削減という両立は、多くの海運業者が抱える課題であり、飯野海運の挑戦は業界全体の模範となるでしょう。

風力推進装置ローターセイルってどんな仕組み?その効果を徹底解説

ローターセイルは、フレットナー・ローターと呼ばれる原理に基づいた装置です。高さ20メートル以上にもなる円柱型の装置が船の甲板上に設置され、モーターで回転させることで「マグヌス効果」を発生させます。
この効果により、横から吹く風が推進力に変換され、通常のエンジンの負担を軽減します。その結果、燃料消費量を最大で4%削減する効果が期待されています。船舶のサイズや航路によってはさらに高い削減効果が見込まれるため、広範囲な導入が期待されています。

また、ローターセイルは二酸化炭素(CO2)の排出量削減にも大きく寄与します。海運業界全体が目指す2050年までの温室効果ガス排出削減目標において、こうした革新的な技術は重要な役割を果たすでしょう。

脱炭素化に向けた課題と風力推進装置ローターセイルの可能性をご紹介!

今回のローターセイル導入は画期的な一歩ですが、いくつかの課題も残されています。一つ目は、装置の効果が風向や風速に依存するため、適切な航路計画が求められることです。運航管理システムの高度化やAIによる予測精度の向上が鍵となります。

さらに、装置そのものの設置やメンテナンスには専門知識が必要であり、技術者の育成や運用ノウハウの共有が課題となります。しかし、これらの課題をクリアすれば、海運業界全体での大規模な導入が可能となり、さらなる脱炭素化が進むでしょう。

飯野海運は、これまでの実績を基盤に、新技術の導入と環境規制への対応を両立させる取り組みを継続すると発表しており、業界全体にとって大きな示唆を与える存在となっています。

まとめ

  • 飯野海運は、LPG二元燃料VLGCにローターセイルを2基搭載し、環境負荷の削減を目指している。
  • ローターセイルはマグヌス効果を利用して燃料消費量を最大4%削減、CO2削減にも貢献。
  • 導入にあたっては航路計画の最適化やメンテナンス体制の構築が課題となる。
  • 環境規制の強化に対応し、持続可能な海運業界への転換をリードしている。

参考

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