公開日: 最終更新日:

エアバス、スペインの新興企業Chaise Longueと2階建ての航空機座席を検討中!

航空
業界ニュース
  1. TOP
  2. 公共交通業界コラム
  3. 業界ニュース
  4. エアバス、スペインの新興企業Chaise Longueと2階建ての航空機座席を検討中!

次世代の空の旅へ!エアバスが斬新な2階建て座席デザインの検討を発表

2025年2月12日、スペイン・マドリードのスタートアップ企業であるChaise Longueは、航空機における2階建て座席の革新的なコンセプトをエアバスと共同で検討していることを発表しました。このプロジェクトは、航空機内でのスペース効率と乗客の快適性を同時に向上させることを目的としています。

近年、航空業界では乗客数の増加とコスト削減の両立が重要な課題となっています。特に長距離国際線では、機内のスペース効率が収益性に直結するため、座席の配置や機内レイアウトの見直しが求められています。このような背景から、従来の1層式座席配置では限界が見えてきており、Chaise Longueとエアバスが提案する2階建て座席は、革新的な解決策として注目を集めています。

2階建ての航空機の座席配置の特徴とは?広さと快適性を両立

Chaise Longueが提案する2階建て座席は、従来の座席配置とは一線を画す斬新なデザインです。この座席は、ワイドボディ機の中央列に設置されることを想定しており、上下に互い違いに配置された3列のシートが特徴となっています。

この新しい座席配置により、次のような利点が期待されています。

  • 空間の最適化:上下に配置することで、座席数を最大10%増加させることが可能になります。これにより、航空会社の収益向上に貢献します。
  • 快適な乗車体験:上段と下段のシートそれぞれに、独自の空間が確保され、乗客に新しい快適性を提供します。
  • 荷物収納の利便性:座席下やフットレスト下に荷物スペースが設けられ、利便性が向上しています。

さらに、各座席には折りたたみ式テーブルとリクライニング機能が装備されており、長時間のフライトでも快適に過ごすことができるように設計されています。下段のシートにはフットレストが備えられており、足を伸ばしてリラックスできる空間が確保されています。

2階建ての航空機の設計における課題と安全対策への挑戦

この新しい座席構成には多くの利点がある一方で、解決すべき技術的な課題も多く存在します。特に、安全性、脱出経路の確保、機内サービスの提供方法などは慎重に検討する必要があります。

まず最も重要な課題は、緊急時の安全確保です。上下の座席配置により、万が一の際に迅速に脱出できる設計が求められます。Chaise Longueは、2階建て構造でも下段・上段ともに迅速に避難できるよう、各座席からのアクセスルートを確保する設計を検討しています。

次に、快適性とプライバシーの確保も大きな課題です。座席間の距離や仕切りの設置により、長距離フライトでもストレスなく過ごせるよう配慮が必要です。特に上段と下段の空間における視線や照明の調整は、快適性向上のための重要な要素となります。

さらに、重量バランスと機体設計も見逃せない課題です。座席数が増えることで、機体全体の重量バランスが変化するため、それに対応した機体設計や空力性能の見直しが求められます。

2階建ての航空機のシステム設計と航空機内インフラへの影響

2階建て座席導入のためには、航空機のインフラそのものも再設計が必要になります。特に注目されるのが、空調システムや照明、緊急脱出設備の再設計です。

上段と下段で座席が分かれるため、空調システムはそれぞれの層に均等な空気循環が行き渡るように調整が必要です。加えて、照明システムも上下の座席ごとに適切な明るさを確保することで、乗客がより快適に過ごせる環境が求められます。

また、機内サービスにも新しい工夫が必要です。座席配置の変更により、機内食の提供ルートや乗務員の動線も見直されることになります。Chaise Longueとエアバスは、従来のサービスがスムーズに提供できるよう、乗務員の移動経路やサービスステーションの配置についても研究を進めています。

2階建ての航空機の今後の展望と導入に向けた課題

2階建て座席の導入は、航空業界にとって大きな変革となる可能性を秘めています。特に、収益性向上と乗客体験の向上が同時に実現できるこの構想は、エアラインにとって魅力的な選択肢となるでしょう。

しかし、実際の導入に向けては、航空規制の適合や、機体メーカーとの協調が不可欠です。各国の航空規制に適応するためには、厳格な試験と承認プロセスをクリアする必要があります。

エアバスとChaise Longueは、これらの課題を解決しつつ、将来的には商業運航に向けた実用化を目指しています。最終的には、より快適で効率的な空の旅を提供するための新たな基準となる可能性があります。

まとめ:エアバス、スペインの新興企業Chaise Longueと2階建ての航空機座席を検討中!

  • 2025年2月12日、Chaise Longueとエアバスが2階建て座席のコンセプトを共同で検討開始。
  • 上下互い違いに配置された座席デザインにより、収容力と快適性の向上を実現。
  • 安全性、快適性、機内インフラ再設計など技術的な課題も多数存在。
  • 新しい空調システムや照明設計、サービス導線の見直しが必要。
  • 商業運航の実現に向け、航空規制や機体設計の調整が求められる。

参考文献:

 

関連記事

PR支援に関する
お問い合わせ

お気軽にお問い合わせください