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JRグループ、列車内への「危険品」持ち込み規制を強化!2025年4月1日から新ルール導入

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列車の安全を守れ!JRグループが危険品持ち込み規制を強化する理由とは?

JRグループは、2025年4月1日より、列車内への「危険品」持ち込み規制を強化します。これは、可燃性液体や高圧ガス、火薬類、毒物、農薬などの危険物の持ち込みを厳しく制限する措置で、鉄道利用者の安全確保を目的としています。

この見直しは、国土交通省が策定した「鉄道テロへの対応ガイドライン」に準拠したもので、今後全国の鉄道事業者にも適用が推奨される予定です。近年、世界各地で公共交通機関を狙った犯罪が増加しており、特に2025年の大阪・関西万博開催に向けた安全対策の強化が求められています。

鉄道は大量輸送機関であり、不特定多数の乗客が利用するため、危険品の持ち込みによる事故や犯罪が発生すると被害が甚大になります。過去には、国内外で以下のような事例が発生しています。

  • 2018年の新幹線無差別襲撃事件:持ち込み禁止物ではなかったが、車内の安全管理の課題が浮き彫りに。
  • 欧州各国での鉄道爆発事件:可燃性物質を用いたテロ攻撃が発生し、多数の死傷者を出した。
  • 過去の日本国内での火災事故:小規模な持ち込み可燃物が原因で発火し、乗客に影響を与えた事例あり。

こうした背景を踏まえ、JRグループは運送約款の見直しを決定し、より厳格な規制を導入することとなりました。

何が変わる?列車内での持ち込み禁止品目の詳細を解説!

今回の規制強化では、JRグループ共通の運送約款における「危険品」の項目や分類方法を見直し、持ち込み禁止の対象をより明確化しました。以下に具体的な変更点を解説します。

1. 持ち込み禁止となる危険品の明確化

従来から持ち込みが禁止されていた以下の物品について、さらに規制が厳格化されます。

  • 可燃性液体: ガソリン、灯油、シンナーなどの引火性の高い液体は引き続き完全禁止。
  • 高圧ガス: スプレー缶、カセットボンベなどは、小売店で日常的に購入できる範囲を除いて持ち込み禁止。
  • 火薬類: 爆竹や発煙筒などは厳格に規制され、輸送手段としても特別許可が必要。
  • 毒物・農薬: 一定量を超える化学物質や農薬類は、密閉容器に入っていても持ち込み禁止。

2. 硫酸・塩酸の持ち込み制限

新たな規制では、硫酸や塩酸などの腐食性の高い液体についても持ち込み禁止が明確化されます。

  • これまで一部許可されていた密閉容器に入った硫酸や塩酸も、例外を除き完全に持ち込み禁止
  • 例外として、バッテリー液やトイレ用強力洗剤などの一般家庭で使用される製品のみ持ち込み可能。

3. 例外的に持ち込み可能な危険品

今回の見直しにより、手回り品として持ち込める「危険品」は、鉄道運輸規程(昭和17年2月 鉄道省令第3号)に基づき、以下の基準を満たすものに限定されます。

  • 小売店等で通常購入可能な日用品であること。
  • 国の安全基準を満たし、適切に密閉・包装されていること。

これにより、現行ルールでは持ち込み可能だった一部の製品も、新たな規制の対象となる可能性があります。

最新技術で危険品の持ち込みを防ぐ!鉄道各社の取り組みとは?

規制強化に伴い、鉄道各社は危険品の持ち込みを防ぐための技術的対策を導入しています。主な取り組みを以下に紹介します。

1. 駅構内での検査強化

  • X線スキャナーの導入: 大規模ターミナル駅を中心に、手荷物検査用のX線スキャナーを試験導入し、不審物の発見を強化。
  • 持ち込み検査エリアの拡大: 新幹線改札口に専用の持ち込み検査エリアを設置し、ランダム検査を実施。

2. AIを活用した監視システムの導入

  • AI画像解析技術: 駅構内や車両内の監視カメラにAIを組み込み、不審物をリアルタイムで検知。
  • 乗客の行動分析: 危険品を持ち込む可能性のある不審な動きを検出し、警備員に通知。

3. 乗客への周知徹底

  • 駅構内や車両内にポスターを掲示し、新たな規制についての情報を提供。
  • 鉄道会社の公式ウェブサイトやアプリで詳細なガイドラインを公開し、乗客の理解を促進。

まとめ:JRグループ、列車内への「危険品」持ち込み規制を強化!2025年4月1日から新ルール導入

  • JRグループは2025年4月1日から「危険品」の持ち込み規制を強化。
  • 可燃性液体、高圧ガス、火薬類、毒物、農薬などの持ち込みを厳格に禁止。
  • 硫酸・塩酸の持ち込みも全面禁止(日用品の例外あり)。
  • 監視システムや持ち込み検査の強化で安全対策を実施。
  • ポスターやウェブサイトで新ルールを周知し、乗客の協力を呼びかけ。

参考文献:

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