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JR東日本、久留里線の一部廃止を正式発表。2025年度内に届出へ — 鉄道からバスへの「モード転換」が本格化

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私たちの生活を支える鉄道が、今大きな転換期を迎えています。千葉県を走るJR久留里線の一部区間について、JR東日本がいよいよ「鉄道としての役割を終える」ための手続きに入ることが明らかになりました。長年親しまれてきた路線がなぜ姿を変えるのか、その背景を紐解いてみましょう。

JR東日本、久留里線(久留里〜上総亀山間)の廃止届を2025年度内に提出へ

JR東日本は2026年2月9日、久留里線の久留里駅から上総亀山駅までの区間(9.6km)について、2025年度中に鉄道事業の廃止届を提出することを正式に発表しました。
この区間は1日の平均利用者数がわずか55人(2021年度実績)まで減少しており、鉄道としての維持が非常に困難な状況にありました。沿線の自治体との話し合いを経て、今後は鉄道に代わる「バスなどを活用した新しい交通体系」へ切り替えることで合意に至った形です。

専門用語を解説:鉄道からバスへ変わる「モード転換」とは?

今回のニュースで重要なキーワードとなるのが「モード転換」です。これは、鉄道という輸送手段(モード)から、より柔軟に運行できるバスやワゴン車などへ切り替えることを指します。

鉄道は一度にたくさんの人を運べるメリットがありますが、利用者が少ない場合は維持費だけが膨らんでしまいます。一方でバスは、乗降場所を細かく設定できたり、道路状況に合わせてルートを変更できたりと、今の地域のニーズに合わせたきめ細やかなサービスを提供しやすいという利点があります。今回の決定は、単なる「路線の廃止」ではなく、「持続可能な地域の足へのアップデート」と言い換えることができるでしょう。

もっと知りたい!廃止された後の生活とJR東日本の支援策

「電車がなくなったら移動が不便になるのでは?」と心配される方も多いかもしれません。しかし、JR東日本は今回の転換にあたり、非常に手厚い支援を打ち出しています。
具体的には、鉄道の代わりに走る「代替バス」の運行費用を、なんと18年分も支援する方針です。これにより、地域の人々は長期にわたって安定した移動手段を確保できる見込みです。また、この久留里線の事例は、全国に多く存在する「赤字ローカル線」の今後のあり方を示すモデルケースとしても注目されており、他の地域でも同様の動きが加速する可能性があります。

まとめ:地域の未来を守るための「新しい一歩」

久留里〜上総亀山間の鉄道としての歴史には幕が閉じようとしていますが、それは同時に、新しい地域交通の形が始まるスタートラインでもあります。
2026年度中には列車の運行が終了する見通しですが、18年間にわたるJRの支援を活かし、いかにして「鉄道よりも便利な交通網」を築いていけるかが今後の鍵となります。形は変わっても、地域の人々の移動を支えるという使命は、これからも形を変えて引き継がれていくことでしょう。

参考文献:久留里線(久留里〜上総亀山間)の鉄道事業廃止届提出について(JR東日本プレスリリース)

 

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