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都営地下鉄が実現した「QRコードホームドア」とは?低コストで進化する安全対策のアイデアに迫る!

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鉄道におけるホームドア整備は、事故防止と安全性向上のために欠かせない取り組みですが、設備投資や車両改造のハードルから導入が進まない事例も多く見られます。こうした中、都営地下鉄が導入した「QRコードホームドア」は、従来の課題を低コストかつ柔軟な仕組みで解決する革新的な取り組みとして注目されています。

QRコードホームドアとは?

QRコードホームドアは、車両の前面や側面に貼付されたQRコードを、ホーム上部に設置されたカメラが読み取り、その情報に基づいてホームドアを自動制御する技術です。

車両の編成両数やドア位置が異なる場合でも、QRコードの情報からリアルタイムに対応でき、車両側の改修が不要という特長があります。

 

導入の背景 ─ 相互直通運転による課題

都営浅草線では、京成電鉄・京浜急行電鉄・北総鉄道など、異なる事業者が相互直通運転を行っており、車両の編成両数・ドア数が統一されていないという課題がありました。このため、従来のホームドアでは車両ごとの改造や無線連携が必要で、多大なコストと時間を要していました。

この課題を解決するため、QRコードを活用した開閉連動方式が採用されました。

 

仕組みと特長

  • 車両前面または側面に専用QRコードを貼付
  • ホーム上部に設置されたカメラでQRコードを読み取り
  • 取得した情報をもとにホームドアの開閉位置を自動調整

主なメリット

  • 車両改造が不要(無線装置・通信設備なしで導入可能)
  • 多様な車両仕様に柔軟対応
  • 導入コストを大幅削減(従来約20億円 → 約270万円)
  • 工期短縮・導入までのリードタイム短縮

想定される導入対象

地方私鉄・LRT・地方都市の中小事業者など、既存車両を活かしつつ安全対策を強化したい事業者に適しています。

 

導入実績と効果

都営地下鉄では、2020年より西馬込駅で実証実験を開始し、令和5年11月18日までに全106駅でホームドア整備を完了しました。

特に注目すべきはコスト削減効果で、従来約20億円と見積もられていた整備費用が、QRコード方式により約270万円にまで抑えられました。

 

技術公開と今後の展開

この技術は特許をオープン化しており、他事業者による導入も可能です。地方鉄道や中小都市の公共交通機関において、安全性向上とコスト抑制を両立できる選択肢として、今後の展開が期待されています。

 

さらなる普及に向けた課題と検討ポイント

QRコードホームドアは画期的な技術である一方、導入拡大に向けて以下のような課題が残されています。

技術的課題

  • QRコードの読み取り精度 ─ 汚損・劣化時の読み取り失敗リスク
  • 非常時対応 ─ QRコードが読み取れない場合の手動対応手順整備
  • 他路線・他事業者連携 ─ 異なる事業者間での運用標準化

運用・維持管理面の課題

  • QRコードの定期メンテナンス ─ 定期的な貼替え・汚損時の対応負荷
  • 効果検証体制 ─ 実運用での事故防止効果・コスト対効果の検証

制度・業界全体での課題

  • 導入補助制度の整備 ─ 中小事業者向けの補助スキーム拡充
  • 業界標準化 ─ QRコードホームドア方式の安全基準・ガイドライン策定

これらの課題を解決することで、QRコードホームドアはさらに多くの鉄道事業者で活用され、公共交通全体の安全性向上につながることが期待されます。

 

参考リンク・動画

都営地下鉄ホームドア設置状況(東京都交通局公式サイト)

【公式】都営地下鉄ホームドア100%達成!QRコードで進化する安全対策(YouTube)

 

まとめ ─ QRコードホームドアが提示する新たな可能性

  • 都営地下鉄はQRコードを活用したホームドア開閉連動技術を導入
  • 相互直通運転における車両仕様の違いに柔軟対応
  • 設備コストを従来比で大幅削減(約20億円 → 約270万円)
  • 都営地下鉄全駅(106駅)でのホームドア整備を完了
  • 特許をオープン化し、他事業者での展開も可能
  • 今後は標準化・制度整備・維持管理面の課題解決が求められる

本記事で紹介したQRコードホームドアは、「アイデアと実装の工夫」で公共交通の安全性向上とコスト削減を両立した好事例です。今後、他の鉄道事業者や地方都市でも導入が進むことが期待されます。

会社名株式会社MR.Nexus

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