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SAF(持続可能な航空燃料)メーカー・商社12選 | 導入チェックリスト、導入プロセス解説付
株式会社MR.Nexus(エムアールネクサス)
製品特性
- 安全対策
- ○
- 自動化・効率化
- -
- 顧客満足度向上
- ○
- 保守性・信頼性向上
- ○
- 人手不足対策
- -
- 法令遵守・SDGs
- ◎
近年、航空業界では脱炭素化の動きが加速しており、その中核を担う技術のひとつがSAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)です。SAFは、従来の化石燃料とは異なり、廃食油やバイオマス、合成燃料などを原料とし、ライフサイクル全体でのCO₂排出量を大幅に削減することが可能です。国際的にもCORSIAやEUのSAF義務化が進み、日本国内でも航空会社やエネルギー企業によるSAF供給体制の整備が本格化しています。
本記事では、世界および日本国内で注目されるSAFメーカーを厳選して紹介します。各メーカーの概要、技術の特長、導入実績、供給体制などを簡潔に整理し、比較しやすい形式でまとめました。航空会社、空港運営会社、地方自治体、サプライヤなど、SAF導入を検討するすべての関係者に向けて、戦略的な選定と判断の一助となる情報提供を目的としています。
SAFとは何か知りたい方はこちら:SAF(持続可能な航空燃料)とは
SAF(持続可能な航空燃料)のメーカー・商社一覧表
メーカー名 | 国・地域 | 主な製品 | ターゲット市場 | 技術の強み | 採用事例 | リンク |
---|---|---|---|---|---|---|
ENEOS株式会社 ENEOS Corporation |
東京都千代田区 | HEFA系SAF(廃食油由来) | 国内航空会社、空港事業者 | 石油精製インフラとの連携、三菱商事と共同開発 | JAL、ANA(予定) | ENEOS |
丸紅株式会社 Marubeni Corporation |
東京都千代田区 | SAF供給(輸入・販売・物流) | 航空会社、空港、物流企業 | HD Hyundai Oilbank等と連携、国内供給実績あり | ANA(羽田空港向け) | 丸紅 |
コスモエネルギーホールディングス株式会社 Cosmo Energy Holdings Co., Ltd. |
東京都港区 | SAF供給(Saffaire Sky Energyと協業) | 国内航空会社、地方空港 | 精製設備・原料調達の垂直統合、国内製造計画 | JAL、ANA | コスモ |
三菱商事株式会社 Mitsubishi Corporation |
東京都千代田区 | SAFプラント設計・事業構築支援 | 国内エネルギー企業、空港、自治体 | ENEOSとの共同FEED、国際連携による調達力 | ENEOS SAFプラント(和歌山) | 三菱商事リリース |
伊藤忠商事株式会社 ITOCHU Corporation |
東京都港区 | CORSIA認証SAF(Neste/GS Caltex連携) | 成田空港、航空会社、燃料サプライヤー | CORSIA対応、国際流通の実績あり | 成田空港向け供給(2024年) | 伊藤忠ニュースリリース |
GS Caltex Corporation | 韓国(ソウル特別市) | SAFブレンド・供給(輸出含む) | 東アジア・日本向け輸出市場 | 大規模精製所を活用した効率的供給体制 | 日本(成田空港)への供給実績 | GS Caltex |
NABLA Mobility Inc. | 東京都 | SAF関連情報基盤・普及支援 | 公共交通事業者、自治体、サプライヤー | 技術情報整理、業界ネットワーク構築に強み | 業界団体・展示会・省庁連携多数 | NABLA |
Neste Corporation | フィンランド(エスポー市) | HEFA系SAF(使用済食用油・動物脂肪由来) | 世界各国の航空会社、空港、燃料サプライヤー | 世界最大級のSAF製造量、欧州・アジアに供給網あり | 伊藤忠経由で成田空港、日本航空、ANA等 | Neste |
SkyNRG | オランダ(アムステルダム) | SAF(様々な原料によるブレンド) | 欧州・アジア・北米の航空会社、サステナブル志向の企業 | 航空会社向け専用プラント建設、購入スキーム整備に強み | KLM、ブリティッシュエアウェイズ、ローソン(日本) | SkyNRG |
World Energy | アメリカ合衆国(カリフォルニア州パラマウント) | SAF(HEFA系) | 米国・アジア・欧州の航空会社、物流企業 | 世界初の商用SAFプラント、数十万フライトへの供給実績 | JetBlue、FedEx、Amazon Airなど | World Energy |
Gevo, Inc. | アメリカ合衆国(コロラド州エングルウッド) | Alcohol-to-Jet SAF(トウモロコシ由来) | 米国の航空会社、バイオ燃料プロバイダ | 再生可能炭素循環に基づく独自のATJ技術 | Delta、Alaska Airlines、日立物流(燃料研究) | Gevo |
LanzaJet, Inc. | アメリカ合衆国(イリノイ州シカゴ) | SAF(ATJ方式、Freedom Pines工場) | 米国・欧州・日本の航空会社、政府・自治体 | 商用ATJ施設を初稼働、自社技術を外販可能 | 日本航空(JALと出資連携)、米国航空局 | LanzaJet |
SAF(持続可能な航空燃料)の日本国内・アジア圏メーカー・商社7選
ENEOS株式会社(ENEOS Corporation)
会社概要:ENEOSは国内最大の石油会社で、和歌山製油所にて年産30万トン規模のSAF製造プラントを建設中。2028年度の商用化を目指し、三菱商事と共同で設計を進めています。
おすすめポイント:既存精製設備とインフラを活用し、大規模・安定供給が可能。American AirlinesとのSAF供給契約も実績に。
こんな事業者向け:燃料の安定調達が重要な航空会社や、地域空港との供給連携を進めたい自治体に適しています。
丸紅株式会社(Marubeni Corporation)
会社概要:丸紅はHD Hyundai Oilbankと提携し、韓国製SAFを羽田空港でANA向けに供給。SAFの輸入・販売・流通を一貫して担います。
おすすめポイント:海外精製所の供給力と、日本国内のネットワークを活かした安定調達が可能。SBTi認証にも対応。
こんな事業者向け:早期導入を求める空港運営者や、ツアー商品への環境価値を付加したい旅行会社に最適です。
コスモエネルギーグループ(Cosmo Energy Holdings)
会社概要:コスモはSaffaire Sky Energyを通じ、大阪・堺で廃食油由来の国産SAFを製造。2025年よりJAL・ANAへ供給予定です。
おすすめポイント:100%国内由来・国内製造のSAFとして、信頼性とトレーサビリティに優れ、認証も取得済。
こんな事業者向け:国産SAFにこだわる航空会社、地域と連携した導入を目指す自治体・空港におすすめです。
三菱商事株式会社(Mitsubishi Corporation)
会社概要:三菱商事はENEOSと共同でSAF製造プラントの設計・開発に関与。サプライチェーン全体の設計力を提供しています。
おすすめポイント:調達・開発・販売まで網羅する総合商社の強みを活かし、官民連携・地域プロジェクトにも対応可能。
こんな事業者向け:SAF導入にあたり、複数関係者の調整やプロジェクト設計が必要な空港や自治体に最適です。
伊藤忠商事株式会社(ITOCHU Corporation)
会社概要:伊藤忠はNeste・GS Caltexと連携し、成田空港向けにCORSIA認証SAFを供給。2024年に国内初の商用供給を実現。
おすすめポイント:国際認証済みのSAFを確実に調達・納品できる体制を構築。航空業界から高い信頼を得ています。
こんな事業者向け:国際基準に準拠したSAFを導入したい航空会社や、脱炭素施策の一環として活用したい空港運営者に。
GS Caltex Corporation
会社概要:韓国を代表する石油精製企業。Neste製SAFを韓国内でブレンドし、成田空港向けに輸出。東アジアでの供給体制を整備。
おすすめポイント:大規模製油所を活かしたブレンド供給と、日本向け安定輸出の実績。今後のアジア市場拡大も見込まれます。
こんな事業者向け:海外製SAFの導入を進める航空会社や、供給安定性を重視する燃料事業者に向いています。
NABLA Mobility Inc.
会社概要:航空機運航のCO₂排出・燃料消費をAIで最適化する日本のスタートアップ。SAF導入の“前後”の排出効果を見える化します。
おすすめポイント:Peach Aviationなどと実証実験を展開。SAF単体ではなく運航効率改善と組み合わせた脱炭素戦略に対応。
こんな事業者向け:SAF導入だけでなくCO₂削減効果を定量的に評価・PRしたい航空会社、地方自治体に適しています。
SAF(持続可能な航空燃料)の海外メーカー5選
Neste Corporation(フィンランド)
会社概要:Nesteは世界最大のSAFメーカーで、廃食用油や動物性脂肪を原料としたHEFA方式により、ライフサイクルでのCO₂削減率は最大80%に達します。ロッテルダムの再生燃料製油所では年間50万トン、全体で150万トンの生産能力を誇ります。
おすすめポイント:European mandates対応による確固たる供給体制に加え、アジア・北米市場への輸出実績多数。FedExや航空機運航会社との取引があり、信頼性の高い供給が可能です。
こんな事業者向け:グローバル調達体制を重視する航空会社、国際空港、CO₂削減目標を掲げる物流事業者に最適です。
SkyNRG(オランダ)
会社概要:2009年創業のSAF専業企業。これまでに40社以上の航空会社に供給し、欧州・米国で専用プラントを展開中。Bコーポ認証を取得するなど社会・環境両面で強い信頼性も特徴です。
おすすめポイント:SBTiギャップを埋めるための「Book & Claim」制度提供や、航空会社との契約支援に注力。専用プラント建設支援や供給スキーム構築も可能。
こんな事業者向け:SAFの認知促進を目的とした取り組みや、原料調達・供給モデル構築支援を求める航空会社、地方空港、CO₂ネットゼロ戦略推進企業におすすめです。
World Energy(アメリカ)
会社概要:世界初の商用SAFプラント(パラマウント製油所)を運用する北米の先駆者。HEFA方式を活用し、米国・欧州・アジアへ幅広く供給しています。
おすすめポイント:既存インフラへのドロップイン適合性と高いカーボン強度性能により、実用性・信頼性を両立。BCGや大手物流企業との契約実績も強みです。
こんな事業者向け:既存燃料供給網でのSAF混合導入を検討中の航空会社、空港や地方自治体に向いています。
Gevo, Inc.(アメリカ)
会社概要:トウモロコシ由来イソブタノールをAlcohol-to-Jet方式でSAF化。ASTM規格対応のdrop-in燃料を提供しています。南ダコタ州に60Mガロン(約227KL)のNet-Zero 1プラントをDOE支援で計画中。
おすすめポイント:化学的循環性が高く、農業と連動した導入が視野に入ります。連邦政府支援のローン取得により、コスト競争力の向上が期待されています。
こんな事業者向け:農業バリューチェーンとの連携を検討する農業団体や地方自治体、環境投資を伴う航空会社に最適です。
LanzaJet, Inc.(アメリカ)
会社概要:ATJ方式による商用SAFプラント(Freedom Pines/ジョージア州)が2024年1月稼働、SAF年900万ガロン規模を供給。British AirwaysやSouthwest、Shell、Microsoft等が投資・採用支援しています。2030年までに10億ガロン生産を目指します。
おすすめポイント:商業稼働実績およびグローバルプロジェクト展開が進んでおり、外販技術として成熟。Airport-design companyの出資による空港対応力も強みです。
こんな事業者向け:空港と連携したプラント開発や、政府支援を伴うプロジェクト運営を視野に入れる地方自治体、空港運営会社、航空会社におすすめです。
まとめ:SAF(持続可能な航空燃料)メーカー・商社12選
SAF(持続可能な航空燃料)は、航空業界の脱炭素化を支える中核技術であり、今後の航空インフラ構築や自治体のカーボンニュートラル政策においても重要な役割を担います。本記事では、日本国内およびアジア圏、さらに海外の有力SAFメーカー・商社12社を紹介しました。各社の供給体制や技術方式、認証状況、想定ターゲット市場には明確な違いがあり、導入を検討する事業者には目的に応じた選定が求められます。
国内では、ENEOSが和歌山で年産30万トン規模のプラントを建設中で、将来的な安定供給に強みを持ちます。安定調達と既存インフラとの親和性を求める航空会社や空港に適しています。丸紅やコスモエネルギーグループは、韓国や国内の提携先と連携し、既にANAやJALへの供給を始めており、早期導入を重視する事業者におすすめです。三菱商事は国際調達と全体設計に強く、複数事業者を巻き込むプロジェクトに適したパートナーです。
一方、伊藤忠商事はフィンランドのNesteと韓国GS Caltexとの連携により、CORSIA認証の国際対応SAFを実現。大規模空港や認証取得が必須の事業者に向いています。GS Caltex自体も輸出拠点として東アジア市場で存在感があり、海外SAFの安定供給先として注目されています。NABLA Mobility Inc.は燃料供給ではなく、SAF導入の効果を“可視化”する技術で、運航効率と脱炭素の両面から航空会社や自治体の意思決定を支援します。
海外勢では、Neste(フィンランド)が世界最大手として量・品質・信頼性すべてで突出。輸入SAFを活用したい日本の航空事業者にとっては最有力候補です。SkyNRG(オランダ)は認証取得支援や「Book & Claim」制度を通じた間接導入にも対応し、脱炭素PRを強化したい企業・地方自治体に最適です。World Energy(米国)は実用実績と商業供給体制に優れ、すでに多くの航空会社が利用しています。
また、Gevo(米国)はトウモロコシ由来燃料と農業連携を特徴とし、地方の農業系事業体やグリーン投資を志向する自治体に適しています。LanzaJet(米国)はATJ方式による世界初の商用プラントを稼働させ、空港と連携した導入を進めたい自治体や政府系事業に好相性です。
選定の際には、以下のような視点が有効です:
- 安定供給・スケールを重視するなら:ENEOS、Neste、World Energy
- 早期導入と価格重視なら:丸紅、GS Caltex、SkyNRG
- 地域密着・国産志向なら:コスモエネルギー、Gevo、LanzaJet
- プロジェクト支援・調整機能なら:三菱商事、SkyNRG
- 可視化・運航最適化なら:NABLA Mobility Inc.
今後、国内空港や航空事業者は単に「どの燃料を使うか」だけでなく、「どの技術・パートナーと組むか」という視点で、SAF導入を戦略的に進めることが求められます。各社の特性を踏まえ、自社の目的や導入フェーズに最適な企業と連携していくことが、脱炭素時代の競争力につながるはずです。
導入前チェックリスト(SAF(持続可能な航空燃料))
以下は、SAF(持続可能な航空燃料)を導入・更新する際の評価項目を7つのカテゴリに整理したチェックリストです。燃料の種類・調達先を選ぶ前に、空港・航空会社・地方自治体などの事業者が自組織の条件に照らして事前確認を行うことを推奨します。
設置・構造条件
- 空港施設内にSAF専用または共用の貯蔵タンクが設置可能か
- 既存の給油設備・配管とSAFの物理的特性(粘度、腐食性等)が適合するか
- タンクローリーやパイプラインによる搬入経路が確保されているか
- SAFと既存Jet-A1燃料の混合比率に応じた分離・管理区画が整備されているか
対象システム・機器との整合性
- 航空機機体側で使用可能なASTM認証燃料(HEFA, ATJ等)に対応しているか
- 混合率(例:最大50%)に応じた航空会社ごとの受入可否を確認しているか
- 空港の燃料供給システムにおいてSAFが問題なく流通可能か
- 定期点検・燃料分析装置がSAF特性に対応しているか
運用・維持管理
- 燃料の品質管理(温度管理、酸化防止措置)が現場で対応可能か
- SAF特有の劣化スピードや使用期限に関する対応マニュアルが整備されているか
- 給油スタッフや整備員へのSAF取扱研修が実施されているか
- 燃料切替・混合対応の運用フローが現場と合意されているか
コスト・調達条件
- 導入初期費用(供給設備、契約設計、輸送費等)が予算内に収まるか
- 長期供給契約またはスポット購入に応じた調達スキームが確保されているか
- SAFプレミアム(ジェット燃料との価格差)を内部で受容できるか
- 排出権やクレジット等との連携で費用対効果を可視化できる仕組みがあるか
導入実績・ベンダー体制
- 供給元のメーカーまたは商社に他空港・航空会社での導入実績があるか
- ベンダー側に緊急時のトラブル対応体制(補給、技術支援等)が整っているか
- 輸送網(国内or海外)における安定供給実績があるか
- ISCCやCORSIAなど第三者認証を取得したSAFを扱っているか
セキュリティ・ネットワーク接続
- 燃料供給システムや在庫管理がIT化されている場合、サイバーセキュリティ対応が行われているか
- クラウドや外部サーバーを介した監視システムが堅牢な設計となっているか
- 異常検知や品質モニタリングデータの改ざん防止策が講じられているか
- ネットワーク障害発生時にも物理的にSAF供給が継続できる仕組みがあるか
法令・制度対応
- 国内の航空法・燃料取扱規則に準拠しているか
- 国際基準(CORSIA, ASTM D7566, ICAO等)への対応確認が取れているか
- 地方自治体や空港管理者による認可・通達を確認済みか
- 燃料成分・原料・排出削減率の証明書が法令上有効と認められる形式で取得可能か
本チェックリストは、単なる「燃料購入」ではなく、航空業務・施設運営・契約調整を含めた総合的な導入判断を支援することを目的としています。各項目については、実際の現場条件やプロジェクト規模に応じてカスタマイズの上、ご活用ください。
SAF(持続可能な航空燃料)の導入・更新プロセス
STEP1:課題認識・ニーズ抽出
- 温室効果ガス排出量削減やCORSIA対応の必要性を社内で共有
- 空港運営会社・航空会社で中長期環境方針におけるギャップを把握
- 既存燃料インフラの課題(在庫、コスト、信頼性)を洗い出す
- SAF導入により得られる効果(企業価値向上、補助金対象など)を明文化
STEP2:技術調査・ソリューション探索
- HEFA, ATJ, FTなどSAFの製造方式と特徴を調査
- 認証状況(ASTM D7566, ISCC, CORSIA)と対応可能な燃料種を比較
- 国内外のベンダー・商社・航空燃料取扱企業の提案を収集
- SAF単体導入と混合(ブレンド)方式の技術的可否を整理
STEP3:要件定義・仕様検討
- 対象空港・機材の仕様に応じた燃料スペック・供給方式を設定
- 混合比率(例:50%まで)、納入頻度、保存性など技術要件を定義
- CORSIA対応証明書、排出削減率の開示方法などの証憑要件を整理
- 給油設備や貯蔵タンクとの整合性をベースに基本方針を決定
STEP4:開発・設計・調達
- 必要に応じて給油所・タンク設備の改修設計・資機材選定を実施
- サプライヤー・物流業者との調整を行い供給ルートを確定
- 補助金・助成金制度の活用可能性を検討し、関係機関と協議
- 技術要件・調達仕様に基づき契約仕様書やRFPを作成
STEP5:試験・検証・現場適合性評価
- 小規模でのテスト供給(バッチ)を実施し品質・安定性を確認
- 実機への供給テストや燃料分析試験を通じて航空機適合性を評価
- 気候・保管条件に応じた劣化リスクの確認や温度管理手法を確立
- 技術マニュアルや運用フローの暫定案を作成し関係者レビュー
STEP6:導入決定・契約・スケジュール策定
- 内部稟議・役員会承認などにより正式導入決定
- 供給契約・品質保証契約(QMS対応)をベンダーと締結
- 現場・運航部門との調整に基づき導入スケジュールを作成
- 教育・説明資料の準備と社内外への説明体制構築
STEP7:施工・設置・切替作業
- 給油設備の切替工事、必要に応じたタンク改修工事の実施
- 既存燃料からSAF混合品への切替に関する手順書の配布
- 作業員・整備士への現場教育、安全確認の実施
- 法令に基づく各種届出・立会検査(消防・航空局)を完了
STEP8:運用開始・フォローアップ・継続改善
- SAFの定期供給・在庫管理を開始し、運用状況をモニタリング
- 燃料使用量・排出削減量を定期レポート化し経営層・行政に報告
- トラブル・不具合発生時の対応フローや代替供給体制を整備
- 価格・需給状況を踏まえた契約見直しや増量交渉を継続
この8ステップは、SAF導入を「単なる燃料の切替」ではなく、持続可能な運航インフラ整備として位置づけるための実践的な枠組みです。導入担当者は、社内外との調整・現場理解・制度対応の3軸をバランスよく進めることが成功の鍵となります。
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