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鉄道自動改札機メーカー4選 | 導入チェックリスト付

株式会社MR.Nexus(エムアールネクサス)

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製品特性

               
安全対策
               
自動化・効率化
               
顧客満足度向上
               
保守性・信頼性向上
               
人手不足対策
               
法令遵守・SDGs

自動改札機は、公共交通機関における運賃収受と乗客管理を効率化するための基幹設備です。乗降時のスムーズな流れを支えると同時に、不正乗車の抑止や利用実績のデータ化など、交通運営全体の高度化に貢献しています。

本記事では、自動改札機を製造・提供している主要メーカーを取り上げ、比較しやすい表形式で情報を整理しました。それぞれのメーカーの特長や導入実績、技術の強みを簡潔にまとめ、駅設備の選定・更新を担う現場技術者や意思決定者にとって有用な資料となることを目指しています。

新設や更新、システム更改を検討する際の初期調査・ベンチマーク資料として、本記事をぜひご活用ください。

 

鉄道自動改札機メーカー一覧表

メーカー名 国・地域 主な製品 ターゲット市場 技術の強み 採用事例 リンク
日本信号株式会社
Nippon Signal Co., Ltd.
東京都千代田区 自動改札機 GX‑8/GX‑9(ICカード対応) JR各社、東京メトロ、近鉄など大手鉄道 追従型人間検知、残額表示LED、信号連携力 JR東日本(夢洲駅GX‑9)、東京メトロ、近鉄 日本信号
東芝インフラシステムズ株式会社
Toshiba Infrastructure Systems & Solutions Corp.
神奈川県川崎市 自動改札機(TICGate2含む)、駅務ITシステム 都市鉄道・大規模ネットワーク運用 高性能IC処理、センター連携、省電力設計 JR九州、名古屋市交通局(QRコード連携実証) 東芝
オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社
OMRON Social Solutions Co., Ltd.
東京都港区 自動改札機(3S2PY/3S2PG/PG‑D120)、駅務機器システム 大都市鉄道・地方鉄道・海外案件 日本初開発、ユニバーサルデザイン、環境配慮モデル 大阪メトロ、JR西日本、京阪電鉄 等 オムロン
パナソニック コネクト株式会社
Panasonic Connect Co., Ltd.
東京都中央区 ウォークスルー顔認証改札機、ICカード対応改札 都市鉄道、空港鉄道、実験導入市場 世界最高水準の顔認証、非接触通過、現場対応力 Osaka Metro(130駅導入 2025年3月~)、JR東日本 長岡駅実証 パナソニックコネクト

 

鉄道自動改札機メーカー4選

日本信号株式会社(Nippon Signal Co., Ltd.)

会社概要:鉄道信号装置・駅務機器を中心に展開する老舗メーカー。自動改札機GX‑8/GX‑9を提供し、夢洲駅など最新設備へ導入実績があります。
おすすめポイント:GX‑8/GX‑9は追従型人間検知やICカード残額表示など視認性に優れた設計を採用。ドア開閉を2段階制御し、安全性と利便性を両立しています。
こんな事業者向け:大規模駅向けの安定性重視の改札機を求める事業者、信号システムとの統合運用を考慮する事業者に最適です。

東芝インフラシステムズ株式会社(Toshiba Infrastructure Systems & Solutions Corp.)

会社概要:駅務機器から運行管理システムまで総合的な駅インフラを提供。TICGate2やQR決済「どこチケ®」も展開。
おすすめポイント:高性能IC処理、省電力設計に加え、QR/クレジット連携可能な「どこチケ®」で多様な運賃システムに対応。
こんな事業者向け:都市圏鉄道・地下鉄事業者、複合IC/QR対応の駅務システムを一括導入したい事業者向け。

オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社(OMRON Social Solutions Co., Ltd.)

会社概要:日本初の自動改札機開発メーカー。現行の3S2PYシリーズは都市鉄道や地方鉄道に幅広く採用。
おすすめポイント:グッドデザイン賞受賞。薄型筐体や高視認性LEDなど利用者フレンドリーな設計。ユニット交換で保守も容易。
こんな事業者向け:更新導入時に保守性や省スペースを重視する鉄道・バス事業者。多拠点展開にも柔軟に対応可能。

パナソニック コネクト株式会社(Panasonic Connect Co., Ltd.)

会社概要:顔認証改札を中核とする次世代改札機を展開。大阪メトロ130駅へ大規模導入中。
おすすめポイント:ウォークスルー型の顔認証改札を提供。スマートフォン連携、非接触通過、即時削除型のプライバシー設計が特長。
こんな事業者向け:MaaS連携を見据えた都市鉄道や空港アクセス鉄道。未来型のUXを志向する先進事業者向け。

 

まとめ:鉄道自動改札機メーカー

本記事では、日本国内の自動改札機メーカーとして、日本信号、東芝インフラシステムズ、オムロン、パナソニックコネクトの4社を取り上げ、それぞれの特長や導入実績を比較しました。自動改札機は単なる通行装置ではなく、乗客の体験や駅業務の効率性、安全性に直結する重要なインフラであり、事業者の運営方針や施設構造に応じた適切な選定が不可欠です。

日本信号は、長年にわたり鉄道信号と駅務機器をセットで提供してきた総合メーカーであり、信号連携に優れたシステム構築力が特長です。高視認性の案内表示、二段階開閉による安全性など、ハイエンドな機能を搭載したGXシリーズを展開しており、JRや東京メトロなど大規模事業者に多数導入されています。駅全体での信頼性・安定性を重視する事業者に適しています。

東芝インフラシステムズは、改札機単体だけでなく、券売機や運賃管理センター、運行管理システムとの統合提案が可能なベンダーです。最新のTICGateシリーズやQRコード対応の「どこチケ®」プラットフォームなど、デジタル運賃対応力に優れ、地下鉄や都市鉄道事業者に適しています。将来のMaaS対応やIC/QR統合を見据えた刷新を検討する事業者に向いています。

オムロンは、日本で最初に自動改札機を実用化したパイオニアであり、現行の3S2PYシリーズでは、薄型筐体・ユニバーサルデザイン・高視認性LEDなど、人にやさしい設計思想を体現しています。ユニット単位でのメンテナンスがしやすく、複数駅を段階的に更新していく現場や、省スペース構造の駅に適した製品を提供しています。更新・保守性を重視する事業者におすすめです。

パナソニックコネクトは、顔認証技術を活かした非接触改札機を展開し、次世代のUXを実現する先進企業です。Osaka Metroで130駅規模の大規模導入が進められており、e-Metroアプリと連携するタッチレス・ウォークスルー型改札が大きな特長です。スマートシティや空港連携など、MaaS高度化を目指す鉄道事業者にとって最先端の選択肢となります。

これら4社はそれぞれ異なる強みを持っており、「信号系統との統合(日本信号)」「デジタル運賃連携と統合運用(東芝)」「現場設計と保守性(オムロン)」「非接触・先進UX(パナソニック)」という観点から選定軸を整理することができます。事業者は、自社の規模や予算だけでなく、導入後の運用体制・利用者層・更新頻度などを総合的に見極めたうえで、最適なベンダーを選定することが重要です。

 

導入・更新時チェックリスト

自動改札機を導入・更新する際は、設置環境・他システムとの連携・運用管理体制・法制度など多面的な観点からの検討が求められます。以下は、Mobility Nexusが推奨する7カテゴリに基づくチェックリストです。現地調査やベンダー比較、内部稟議の際にご活用ください。

設置・構造条件

  • 改札機本体の寸法が設置予定箇所に収まるか(幅・奥行・高さ)
  • 床面強度・固定方法(アンカー・架台)の仕様に対応しているか
  • 車椅子・ベビーカー利用に対応した通路幅が確保できるか
  • 雨水・粉塵など駅環境に応じた防水・防塵構造を有しているか

対象システム・機器との整合性

  • 既存のICカードシステム(例:Suica、ICOCA)との互換性があるか
  • 券売機・精算機など他の駅務機器との連携仕様が一致しているか
  • 交通系クラウド・センターシステムとの通信プロトコルが適合するか
  • 顔認証やQR対応など追加オプションの互換性が確保されているか

運用・維持管理

  • 日常点検・清掃が現場レベルで対応可能な構造となっているか
  • モジュールごとの交換・保守が簡便に行える設計か
  • ソフトウェア更新や運賃改定への反映が容易か
  • 障害時の遠隔監視やログ取得が可能な機能があるか

コスト・調達条件

  • 導入価格(本体・設置工事・システム連携)が予算内か
  • 保守契約(年額・対応範囲)の条件が明確に定義されているか
  • 部品供給の長期性・国内在庫体制があるか
  • 複数年度にわたる段階的導入が可能なスキームか

導入実績・ベンダー体制

  • 類似規模・類似駅構造への導入実績があるか
  • ベンダー側に設計・施工・保守まで一貫対応できる体制があるか
  • 仕様書・図面類・施工要領書が十分に整備されているか
  • 導入後のトラブル対応履歴や事例が開示されているか

セキュリティ・ネットワーク接続

  • 外部ネットワークとの通信における暗号化・認証機能を備えているか
  • サイバー攻撃への対策(脆弱性対応、FW/IPS等)が明示されているか
  • ログ保存やアクセス制限など運用セキュリティ機能が充実しているか
  • 駅構内ネットワーク(LAN/VLAN)との接続要件が明確か

法令・制度対応

  • バリアフリー法に基づいた設計基準を満たしているか
  • 消防法・建築基準法等に適合する素材・構造となっているか
  • 情報セキュリティに関する国内外の基準(ISO/ISMS等)に準拠しているか
  • 国土交通省・自治体等の補助制度や認可要件に合致するか

 

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