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海上コンテナ輸送向けGPSトラッカーメーカー5選 | 導入チェックリスト、導入プロセス解説付
株式会社MR.Nexus(エムアールネクサス)
製品特性
- 安全対策
- ○
- 自動化・効率化
- ◎
- 顧客満足度向上
- ○
- 保守性・信頼性向上
- ◎
- 人手不足対策
- ○
- 法令遵守・SDGs
- ○
近年、物流のグローバル化や災害・盗難リスクへの備えとして、海上コンテナ輸送の可視化ニーズが急速に高まっています。中でも、GPSトラッカーを用いた位置情報のリアルタイム管理は、物流品質の向上とコスト最適化の両立に直結する技術として注目されています。
海上コンテナ輸送向けGPSトラッカーは、コンテナの現在地を正確に把握するだけでなく、温度・湿度・衝撃・開閉状態などのセンサ情報を併せて記録・送信できる製品が主流となってきました。事業者にとっては、機器の通信方式(LTE/LPWA/衛星)、電源方式(電池/太陽光)、設置性や耐候性、運用管理のしやすさなど、多角的な比較が求められます。
本記事では、日本国内および海外の主要メーカーを厳選し、それぞれの特長を事業者目線で簡潔に整理しました。展示会カタログのようにシンプルかつ実務的な構成とし、選定や導入の第一歩としてご活用いただける内容を目指しています。
海上コンテナ輸送向けGPSトラッカーとは何か?
この製品は何か?
海上コンテナ輸送向けGPSトラッカーは、国際物流で使用されるコンテナの位置情報をリアルタイムで把握するための通信端末です。近年はGPSに加えて温湿度・衝撃・ドア開閉の検知機能を備えたモデルが主流となっており、輸送品質やセキュリティ確保にも活用されています。小型かつ耐久性の高い筐体が多く、グローバル輸送網のなかでも高い信頼性を求められる製品です。
何のために使われるのか?
この製品は、輸送中のコンテナの「今どこにあるか」を常に把握し、異常な停留・ルート逸脱・衝撃や開封の有無などを監視するために使われます。輸送リスクの可視化や異常発生時の迅速な対応を可能にし、物流全体のトレーサビリティと信頼性を向上させます。また、保険対応や顧客への情報提供など、ビジネス面でも多くの活用効果があります。
どこでよく使われるのか?
主な用途は、海上コンテナの国際輸送におけるトラッキングです。具体的には、港湾間輸送、鉄道・トラックと連携したインターモーダル輸送、または倉庫搬入までのルートで使用されます。輸出入業者、国際フォワーダー、船会社、陸送事業者、さらには保険会社や高価貨物を扱う商社など、幅広い事業者が導入しています。
なぜ今注目されているのか?
近年の国際情勢や自然災害、盗難・遅延リスクの高まりにより、輸送の「見える化」がかつてないほど重要になっています。加えて、LPWAや衛星通信、IoTセンサ技術の進化により、これまで困難だった海上や遠隔地でもリアルタイムのトラッキングが可能となりました。これにより、コンテナ単位での物流品質管理や保険対応が進化し、新たな標準として注目されています。
どういう仕組みで動作しているのか?
GPSトラッカーは、端末内のGPSモジュールで位置情報を取得し、通信モジュールを通じてサーバーにデータを送信します。通信方式はLTEやLPWA(Sigfox、LoRa)に加え、海上では衛星通信を用いるモデルもあります。取得データはクラウド上で蓄積・可視化され、Web画面やAPI連携を通じてユーザーに提供されます。電源はバッテリーや太陽電池で駆動し、数ヶ月~数年の長期使用が可能です。
海上コンテナ輸送向けGPSトラッカー メーカー選定のポイント
設置・構造条件
コンテナに後付け設置するため、防塵・防水・耐衝撃性能が重要です。特に海上輸送では塩害や振動が激しく、IP67以上の耐候性が求められます。また、マグネット式やベルト巻き付け型など、設置方法が現場作業に与える影響も評価ポイントとなります。設置工数や固定強度も見落とせません。
運用・維持管理
バッテリー寿命や通信料金、システム保守体制など、長期運用コストを見据えた評価が重要です。頻繁な電池交換が不要な長寿命タイプや、ソーラー充電対応モデルは特に人気です。クラウド画面の使いやすさや、データ保持期間、API連携の可否なども実運用に大きく関わります。
導入実績・ベンダー体制
物流業界での導入実績があるかどうかは、製品の信頼性を測る上での大きな指標です。また、国内外におけるサポート体制、端末調達の安定性、故障対応やファーム更新の支援が受けられるかなど、導入後の支援力が差を生みます。特に海外製品では、日本法人または代理店の有無が安心材料になります。
海上コンテナ輸送向けGPSトラッカー メーカー選定に役立つ比較表
ここでは、海上コンテナ輸送向けGPSトラッカーを提供する主要メーカーについて、比較しやすい7項目に整理した表をご用意しています。メーカーの所在地や代表製品、導入実績、技術の特長を一覧形式で確認できるため、選定初期の候補出しや、社内説明資料の作成にもご活用いただけます。目的や用途に合った製品を見つける一助となるはずです。
海上コンテナ輸送向けGPSトラッカーメーカー一覧表
メーカー名 | 国・地域 | 主な製品 | ターゲット市場 | 技術の強み | 採用事例 | リンク |
---|---|---|---|---|---|---|
京セラみらいエンビジョン株式会社(Kyocera Mirai Envision Inc.) | 東京都港区 | GPSトラッカー(Sigfox対応・温湿度/衝撃センサー付き) | 海上コンテナ輸送、パレット・資産管理 | 省電力通信(LPWA)、クラウド連携、センサー統合 | 大手物流事業者、自治体倉庫管理 | 京セラ |
株式会社トラッキモGPS(Trackimo Japan Inc.) | 東京都渋谷区 | Trackimoシリーズ(多機能小型GPSトラッカー) | 国際輸送、工場・資産監視、個人ユース | 多国対応SIM、低価格、クラウド表示機能 | 中堅物流企業、イベント資材輸送 | Trackimo |
モバイルクリエイト株式会社(Mobile Create Co., Ltd.) | 大分県大分市 | モバロケシリーズ(動態管理・位置追跡端末) | 運送事業者、レンタル資産、コンテナ輸送 | クラウド動態管理、豊富な端末種別、低コスト | 全国の運送事業者、自治体備品管理 | モバイルクリエイト |
UnaBiz Japan株式会社(UnaBiz Japan Inc.) | 東京都中央区 | UnaTag(Sigfox/LPWA対応IoTトラッカー) | 海上輸送、パレット・コンテナ資産、空港GSE | 低消費電力、グローバルSigfox対応、軽量 | アジア物流企業、空港地上設備 | UnaBiz |
株式会社PALTEK(PALTEK Corporation) | 神奈川県横浜市 | docomap Trailer(シャーシ・コンテナ向けGPS) | 海上コンテナ輸送、トレーラ運行管理 | 準天頂衛星「みちびき」対応、屋内屋外シームレス測位 | トレーラ事業者、港湾物流 | PALTEK |
Traxens(Traxens SA) | フランス(マルセイユ) | Traxens‑Box(恒久型コンテナトラッカー) | 国際海上輸送、船社/フォワーダー向け | 一度の取り付けで最⾧7年動作、高精度ドア開閉・衝撃検知、クラウドでのリアルタイム可視化 | MSC(CMA CGMなど複数の船社で採用) | Traxens |
Roambee Corporation(Roambee) | アメリカ/カリフォルニア州 | Roambee IoTトラッカー+Visibility & Intelligence Platform | 国際輸送、食品・化学・高価貨物流通業者 | AI予測分析、品質管理(温湿度不良)、プラグ&プレイ設置、月額払いモデル | Tesco、APLなどグローバル企業で導入 | Roambee |
BlackBerry Radar(BlackBerry Limited) | カナダ | Radar H2 / H2M IS(インターモーダル用アセットトラッカー) | トレーラ・シャーシ・コンテナ管理、運送業者 | 設置10分、バッテリー最大5年、複数センサー統合、堅牢筐体、無線拡張性 | 北米・欧州輸送企業、運送事業者で多数導入(具体企業名非公開) | BlackBerry |
海上コンテナ輸送向けGPSトラッカーの日本国内メーカー5選
京セラみらいエンビジョン株式会社(Kyocera Mirai Envision Inc.)
会社概要:京セラグループの一員として、IoTソリューション開発を推進。Sigfox対応GPSトラッカー「IET10MO」「AT‑1/AT‑2/ATOZ」シリーズを提供し、コンテナやパレット輸送での位置・温湿度・衝撃管理に対応しています。
おすすめポイント:耐衝撃IP68・IK10相当、防塵防水性能が高く物流現場での信頼性が高い。Sigfox通信により長期バッテリー駆動が可能で、電源確保が困難な海上やヤード内管理に適しています。
こんな事業者向け:港湾倉庫や倉庫業者、大手物流企業で、電池交換頻度を抑えて長期間にわたり安定した位置管理とセンサ監視が求められる事業者に適しています。
株式会社トラッキモGPS(Trackimo Japan Inc.)
会社概要:イスラエル発・グループ子会社として日本展開。Trackimo製品群(Universal 4GモデルやSlim 4Gなど)は、小型軽量・低価格で世界160以上の国・地域で200万台以上販売されています。東京港ターミナルでの混雑可視化実証実験なども実施。
おすすめポイント:LTE(4G)対応で国際ローミングに強く、ソーラー給電併用で長期稼働可能。端末はUSB充電式で設置が容易。低コストかつグローバル対応の通信が特長です。
こんな事業者向け:海上輸送や港湾で、低価格で導入しつつ国際ローミングやソーラー給電による長期間運用を見据える中小物流事業者やフォワーダーに適しています。
モバイルクリエイト株式会社(Mobile Create Co., Ltd.)
会社概要:IP無線とIoTを組み合わせた動態管理システム「モバロケ」を提供。NTTドコモFOMA回線を活用し、業務用IP無線と位置情報を統合管理します。自治体や運送業界での導入実績も多数です。
おすすめポイント:クラウド型管理で地図表示と運行管理がPC・スマホで簡単に可能。API連携にも対応し、導入コストが低く運用負荷も少ない点が特徴です。
こんな事業者向け:車両・資産の動態管理から始めたい地方運送業者や自治体、初期費用と運用負荷を抑えたいスタート段階の事業者に適しています。
UnaBiz Japan株式会社(UnaBiz Japan Inc.)
会社概要:シンガポール発のLPWA IoTベンチャーUnaBizの日本法人。Sigfox/LTE‑M/NB‑IoT/LoRa対応のUnaTag製品群を展開し、70カ国以上で展開、900万台以上出荷実績あり。
おすすめポイント:軽量かつ低消費電力設計で、Sigfoxハイブリッド通信によりグローバル展開でも安定通信が可能。柔軟な料金プランと専門カスタマーサポート体制を整備しています。
こんな事業者向け:グローバルサプライチェーンや倉庫間輸送で、低電力・軽量トラッカーを複数拠点で使いたい物流事業者に最適です。
株式会社PALTEK(PALTEK Corporation)
会社概要:神奈川県横浜市に本社を置き、準天頂衛星「みちびき」SLAS対応トラッカー「docomap Trailer(GPSトラッカーR)」を提供。DoCoMAPとの連携によるトレーラ・シャーシ位置管理を実現しています。
おすすめポイント:SLAS活用により誤差±2mの高精度測位が可能。1日4回自動位置取得し、バッテリー駆動で1年以上連続稼働。駐車場マップ表示などで現場効率化に貢献します。
こんな事業者向け:港湾ヤードやトレーラ管理が重要な港湾事業者、駐車位置の可視化で現場効率を向上したい運送会社に向いています。
海上コンテナ輸送向けGPSトラッカーの海外メーカー3選
Traxens(Traxens SA)
会社概要:フランス・マルセイユに本社を構えるIoTトラッキング企業で、海上コンテナ専用の高性能GPSトラッカーとクラウド型管理ソリューションを展開。CMA CGMやMSCなど大手船会社にも採用されています。
おすすめポイント:ドア部分に簡単に取り付けできるトラッカーで、位置情報に加えてドア開閉・温湿度・衝撃などを多項目で監視。最長7年駆動のバッテリーを搭載し、Bluetooth連携によるセンサ拡張も可能です。
こんな事業者向け:国際海上輸送を担うフォワーダーや船社で、コンテナ単位の輸送品質とセキュリティを重視し、異常検知や状態管理の自動化を進めたい事業者に適しています。
Roambee Corporation(Roambee)
会社概要:アメリカ・カリフォルニア州に本社を置くサプライチェーン可視化の専門企業。IoTデバイスとAI分析基盤を組み合わせ、リアルタイム位置追跡と品質監視を一体化したソリューションを提供しています。
おすすめポイント:プラグ&プレイ型の小型デバイスで導入しやすく、温湿度・開封検知・位置情報を統合管理。AIを活用した予測分析や自動アラートも可能で、月額制の柔軟な運用モデルも魅力です。
こんな事業者向け:多拠点・多モードの輸送を可視化したい大手物流企業や、医薬・食品など輸送中の品質管理が重要な分野で、効率的かつ戦略的な物流運用を目指す事業者に適しています。
BlackBerry Radar(BlackBerry Limited)
会社概要:かつてスマートフォンで知られたカナダのBlackBerryが展開するアセットトラッキング部門。トレーラ・シャーシ・コンテナなどの移動資産を対象に、堅牢なデバイスとクラウド連携のソリューションを提供しています。
おすすめポイント:外部配線不要で10分以内に設置可能。最大5年のバッテリー寿命を誇り、位置情報・ドア開閉・貨物積載状態・走行距離などを一台で把握。過酷な環境にも耐える堅牢設計が特徴です。
こんな事業者向け:北米や欧州を中心にインターモーダル輸送を展開する運送事業者や、複数の物流資産を一元的に可視化・管理したい企業に適しています。
まとめ:海上コンテナ輸送向けGPSトラッカーのメーカー
本記事では、海上コンテナ輸送向けGPSトラッカーを提供する国内外の代表的メーカー8社を紹介し、それぞれの特長・強み・用途を整理しました。選定にあたっては、「どこで使うのか」「どの程度の精度・耐久性が必要か」「初期費用と運用コストのバランス」などを軸に、目的に応じた製品選びが重要です。
日本国内メーカーでは、京セラみらいエンビジョンがSigfox通信による長寿命・多機能トラッカーで、耐環境性能やセンシング性能を重視する企業に適しています。トラッキモGPSはグローバル対応・低価格帯が魅力で、中小規模の港湾事業者や短期利用に向いています。モバイルクリエイトは運送事業者向けにシンプルで導入しやすい動態管理型システムを提供しており、既存の通信インフラを活かしたい事業者に最適です。UnaBiz JapanはLPWAによるグローバル展開と小型軽量設計に強みがあり、広域サプライチェーンで多数拠点を管理する物流企業におすすめです。株式会社PALTEKは「みちびき」対応による高精度測位が特長で、トレーラ管理や港湾ヤードでの位置把握を重視する事業者に適しています。
海外メーカーでは、Traxensが高機能なドア設置型トラッカーを提供し、開閉検知やセンサ統合が求められる大手フォワーダー・船社に適しています。Roambeeはプラグ&プレイの簡便性とAI分析を融合させ、医薬品・食品など品質管理が求められる分野や、輸送状況の予測・最適化を図りたい大企業に向いています。BlackBerry Radarは堅牢設計・長寿命・多機能を兼ね備え、北米・欧州を中心としたインターモーダル輸送や、トレーラ稼働率の可視化を行いたい事業者に最適です。
それぞれの企業は、通信方式(LPWA、LTE、衛星)、バッテリー寿命、設置方法、対応エリア、センサ連携の有無などに違いがあります。例えば、長期運用重視であればバッテリー寿命や防水性、品質監視重視ならセンサ統合機能、コストを抑えた試験導入ならUSB給電式や月額モデルの活用が判断基準となります。
最終的には、「自社が管理したい輸送資産は何か」「どの地点で情報を取得したいか」「現場作業者にとって扱いやすいか」などを整理し、複数の製品を比較検討することが成功の鍵となります。今回紹介した8社は、それぞれ異なるニーズに応じた強みを持っており、業態や運用体制に応じた柔軟な選定が可能です。
海上コンテナ輸送向けGPSトラッカーの導入・更新チェックリスト
設置・構造条件
- コンテナのドアや外壁に確実に取り付けできる構造か(マグネット、ベルト、ビス固定など)
- 防塵・防水性能(IP67以上)や耐衝撃性(IK10相当)を有しているか
- 設置・取り外しに特別な工具や技術を必要としないか
- 海上輸送における塩害、振動、高温多湿環境に対応できるか
対象システム・機器との整合性
- 既存の動態管理システムやTMS(輸送管理システム)と連携可能か
- 他のIoTセンサ(温湿度・衝撃・開閉)との統合運用が可能か
- Bluetooth/LPWA/LTEなど必要な通信規格を満たしているか
- データ出力形式(CSV, API, MQTTなど)が自社システムと互換するか
運用・維持管理
- バッテリー寿命は輸送期間や使用環境に対して十分か(1年以上など)
- 現場作業者が容易に状態確認・初期設定・リセットを行えるか
- メンテナンス不要/低頻度での保守対応が可能な設計か
- クラウド管理画面の操作性や管理項目が業務に適しているか
コスト・調達条件
- 端末価格、クラウド利用料、通信費などを含めた総保有コストが妥当か
- レンタル/サブスクリプション/従量課金など柔軟な調達形態があるか
- 1台からの試験導入が可能か、初期設定サポートがあるか
- 調達から導入までの納期・リードタイムが実運用に支障ないか
導入実績・ベンダー体制
- コンテナ・シャーシ・輸送資産向けの導入実績があるか
- 港湾・物流企業・フォワーダーなど同業種での活用事例があるか
- 国内でのサポート体制(問い合わせ窓口・保守拠点)が整備されているか
- トラブル発生時の代替機対応・ファームウェア更新支援があるか
セキュリティ・ネットワーク接続
- 通信の暗号化や端末認証によるデータセキュリティが担保されているか
- 不正アクセスや乗っ取り対策(ソフト・ハード)への配慮があるか
- 端末紛失・盗難時の遠隔ロック/データ遮断機能の有無
- ネットワーク通信障害時のデータバックアップや再送機能の有無
法令・制度対応
- 電波法・電気通信事業法など日本国内の関連法令に適合しているか
- 海外展開する場合、各国の通信規格・認証制度に準拠しているか
- ATEXやIECExなど、危険物取り扱い区域での使用に対応しているか
- 環境配慮基準(RoHS指令、リチウム電池輸送制限など)を満たしているか
海上コンテナ輸送向けGPSトラッカーの導入・更新プロセス解説
STEP1:課題認識・ニーズ抽出
- 輸送中の位置把握・品質管理・盗難対策など、現場の課題を洗い出す
- 輸送モード(海上・陸上・インターモーダル)ごとの運用実態を整理する
- トレーラ・シャーシ・コンテナなど対象資産の管理単位を明確化する
- 現場担当者や保守部門からのヒアリングで運用上のボトルネックを抽出
STEP2:技術調査・ソリューション探索
- 通信方式(LPWA、LTE、衛星)や電源方式(バッテリー・ソーラー)の比較検討
- 導入済み事業者の事例や製品評価情報を収集・分析
- 既存の物流システムとの連携可否やAPI対応状況を確認
- 候補ベンダーのWebサイトや展示会資料から仕様・導入条件を取得
STEP3:要件定義・仕様検討
- 使用環境に応じた防水・耐候性・設置方法などの仕様要件を整理
- クラウド連携、アラート通知、センサ機能の必要項目を明確化
- 予算枠や数量、導入スケジュールなど実施条件を確定
- 社内IT・業務部門と連携し、システム連携・運用フローを事前設計
STEP4:開発・設計・調達
- ベンダーへ正式な見積・仕様提案を依頼し、要件に適合するか確認
- 必要に応じてトライアル用端末を手配し、技術検証の準備を進める
- 機器の型式・数量・納期・保証条件を明記した発注仕様書を作成
- 並行してクラウドシステムの構成設計(ID発行、ユーザー階層など)を進行
STEP5:試験・検証・現場適合性評価
- 実際のコンテナやトレーラに取り付け、通信・GPS精度の検証を実施
- センサ類の反応・通知タイミング・電池残量動作をモニタリング
- クラウド画面上での地図表示やアラート通知の動作確認を行う
- 現場スタッフに操作テストを依頼し、実用性や運用負荷を評価
STEP6:導入決定・契約・スケジュール策定
- 検証結果を踏まえて製品・ベンダーを決定し、社内稟議を通過
- ライセンス・クラウド利用契約・通信契約を締結
- 本格導入に向けた設置計画・導入台数・担当者割当を明文化
- 輸送スケジュールや繁忙期を考慮し、段階的な導入計画を策定
STEP7:施工・設置・切替作業
- 現場作業員またはベンダー担当者が端末をコンテナに設置
- ID登録・クラウド設定・設置ログの記録を実施
- 旧システムや紙管理からの切替時は並行稼働期間を設ける
- 設置後の初期通信・センサ動作チェックを現地で確認
STEP8:運用開始・フォローアップ・継続改善
- 日常運用におけるモニタリング・アラート対応のルールを確立
- 運用後のログ分析により、位置把握精度やセンサ反応の最適化を図る
- 障害発生時の対応フローや代替機手配ルールを明文化
- 導入効果をレポートし、他路線・他部門への水平展開を検討
会社名株式会社MR.Nexus(エムアールネクサス)
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