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ダイヤ編成支援SaaS 3選|導入チェックリスト付

株式会社MR.Nexus

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製品特性

               
安全対策
               
自動化
               
環境への配慮
               
保守性向上
               
信頼性向上
               
施工性向上

ダイヤ改正業務は、従来Excelや手作業で行われることが多く、担当者の経験と属人的なノウハウに強く依存してきました。近年は、AIアルゴリズムとクラウドSaaSの活用により、「過去実績+需要予測」に基づいた柔軟な編成が可能となっています。本記事では、ダイヤ編成・改正支援に特化したSaaS型ソリューションを比較し、導入前の実務検討に資する情報を整理します。

 

バスダイヤ編成支援システム 3選|現場実装に強い国産SaaSを比較

バス事業者にとって、ダイヤ編成・改正業務は日常運行と経営効率の両面に影響する重要な業務です。本記事では、国内事業者向けに提供されている主要なダイヤ編成支援システム3製品を比較し、導入検討に役立つ情報を整理しました。すべて日本企業による開発で、GTFS対応やMaaS連携など近年のニーズにも対応しています。

製品一覧表

製品名 提供企業 対象交通モード 主な機能 UI/UX・操作性 システム連携 導入実績 保守・サポート 公式ページ
ダイヤ編成支援システム ホクリクコム 路線バス 停留所・区間時分・路線設定
山ダイヤ/仕業ダイヤ/時刻表作成
勤務条件設定と勤務チェック
GTFS-JP出力対応
多色表示、選択表示機能
回送割付や勤務不整合検出支援
電子スターフ・運賃連携(予定)
GTFS出力対応
北陸鉄道グループ等 自社対応、サポート窓口あり ホクリクコム
ダイヤPRO 株式会社工房 路線バス、高速バス、貸切バス 運行計画・仕業編成・帳票出力
GTFS対応・MaaS連携機能
直感的な画面設計
線引画面・仕業画面など豊富なUI
GTFS出力対応
MaaS・交通ICとの連携
全国の複数バス事業者 自社対応、保守体制あり 工房
バスダイヤ編成支援システム NECネクサソリューションズ 路線バス 山ダイヤ・勤務ダイヤ作成支援
労働条件(改善基準告示)チェック
GTFS出力対応
視覚的にダイヤを表示・編集可能
便ごとの時刻指定が可能
バスナビシステム等と連携可
GTFS出力対応
複数バス事業者に導入 自社対応、障害対応あり NEC

 

まとめ

本記事では、国内の主要3社(ホクリクコム、株式会社工房、NECネクサソリューションズ)が提供するバスダイヤ編成支援システムについて、機能、UI、連携性、導入実績、保守体制などの観点から比較しました。いずれも日本の公共交通事業者の業務実態を反映した設計となっており、業務負荷の軽減やダイヤの品質向上を実現する上で有効なツールです。

まず、ホクリクコムのシステムは、地域バス事業者との協働によって開発されており、北陸鉄道グループなど実運用に基づくノウハウが反映されています。システムの軽量性と直感的なUIが特徴で、中小規模事業者でも導入しやすい仕様となっています。GTFS-JP出力機能を標準搭載しており、MaaS対応や交通情報の外部提供にも対応可能です。

一方、株式会社工房の「ダイヤPRO」は、運行計画・仕業作成・帳票出力までを一体で管理できるオールインワン型であり、機能の幅広さとUIの多様性に強みがあります。高速バスや貸切バスなど多様な業態に対応している点、MaaSや交通ICとの連携を視野に入れている点も特徴で、特に広域事業者や複数業態を保有する事業者に適しています。

NECネクサソリューションズの製品は、大手SIerならではの安定性と保守体制が魅力で、改善基準告示への対応や視覚的なダイヤ作成支援、既存のNEC系バスシステムとのスムーズな統合が可能です。労働条件との整合性を重視する事業者や、大規模な路線網を持つ事業者に向いています。

各社の製品はいずれもGTFS出力に対応しており、MaaSへの展開や自治体・他事業者とのデータ連携を前提とした設計がなされている点は共通しています。ただし、機能の深度・カスタマイズ性・UIの柔軟性・連携対象の範囲などには明確な違いがあるため、自社の業務規模や運用体制に適した製品を選定することが重要です。

導入に際しては、単に「ダイヤを作れるか」だけでなく、以下のような基準に照らして総合的に評価する必要があります:

  • 通常ダイヤ・臨時ダイヤ・勤務表など、対象業務が網羅されているか
  • 既存の運行管理・乗務員計画・MaaSとのシステム連携が可能か
  • GTFS出力、改善基準告示チェックなど法制度・社会ニーズへの対応性
  • 現場担当者が継続運用できる操作性(属人化を防げる設計か)
  • 導入後のサポート体制、障害対応、将来の仕様変更への柔軟性

近年はダイヤ改正の頻度が高まり、属人化のリスクや人材不足の課題も顕在化しています。こうした背景からも、ダイヤ編成支援システムは単なる「ツール」ではなく、業務設計の中核を担う「インフラ」として捉えるべきフェーズに入っています。導入の際は、現場と企画・IT部門が連携しながら、数年後の運用も見据えた評価と選定を進めていくことが求められます。

 

導入時の検討ポイント

ダイヤ編成・改正支援SaaSの導入に際しては、単に機能やAI性能を見るだけでなく、現場業務との適合性や維持管理面、システム連携、費用構造の透明性までを含めた総合的な検討が不可欠です。以下は、Mobility Nexusが定める実務視点に基づいた主要な検討ポイントです。

  • 導入対象の明確化:鉄道・バス・オンデマンド交通など、自社の運用形態と一致しているか。
  • AIの前提条件:教師データの形式や初期設定要件(例:過去ダイヤ、運行実績など)は現場で準備可能か。
  • UI/UXと操作性:現場担当者が使いこなせる設計になっているか。業務分担に応じたユーザー管理は可能か。
  • システム連携性:運行管理・乗務員計画・MaaS基盤など既存システムと接続できるか。
  • 導入効果の定量性:業務量・作業時間・人的負担の削減効果が具体的に評価できるか。
  • 業界適合性:日本の公共交通業務への理解があるベンダーか。実績や対応部門の構造を把握しているか。
  • 維持管理体制:サポート窓口、障害時対応、バージョン更新頻度などの体制が明示されているか。
  • 費用構造の明瞭性:初期費用・月額費用・カスタマイズ費用など、契約時点で把握できるか。

会社名株式会社MR.Nexus

住所〒103-0022 東京都中央区日本橋室町1丁目11番12号 日本橋水野ビル7階

キャッチコピー公共交通に変革を、技術革新で次世代の安全と効率を

事業内容Mobility Nexus は、鉄道・航空をはじめとする公共交通業界における製品・技術・メーカー情報を整理・集約し、事業者とサプライヤをつなぐ情報プラットフォームです。技術の導入事例や製品比較を体系化し、事業者が現場視点で最適な選択を行える環境を構築しています。
本サイトは、公共交通業界での実務経験を持つエンジニアが運営しており、現場感覚と専門性を重視した中立的な構成を心がけています。
現在、製品情報の整理にご協力いただけるサプライヤ様からの情報提供を募集しています。特長や導入実績、保守体制などを詳細に記載します。製品個別単位での掲載、比較記事への参画など、目的に応じて柔軟に対応可能です。公共交通の技術導入を後押しする情報基盤づくりにぜひご協力ください。

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