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道路インフラ点検用ドローンメーカー6選

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製品特性

               
安全対策
               
自動化
               
環境への配慮
               
保守性向上
               
信頼性向上
               
施工性向上

近年、老朽化が進むインフラの維持管理が社会的課題となる中、道路や橋梁の定期点検において、効率性・安全性を高める手段としてドローンの活用が急速に拡大しています。従来、足場の設置や交通規制を伴っていた点検作業が、ドローンによって非接触・短時間で実施できるようになり、人的リソースの削減や作業の高度化が期待されています。

本記事では、道路点検に特化したドローンを製造・提供している国内外の主要メーカーを紹介します。各社の特長を簡潔に整理し、製品の機能、導入メリット、適した利用シーンなどを比較しやすいようにまとめました。ドローンの導入を検討する自治体やインフラ事業者の皆様が、最適な機種選定を行うための一助となることを目的としています。

 

道路インフラ点検用ドローンのメーカー一覧表

メーカー名 国・地域 主な製品 ターゲット市場 技術の強み 採用事例 リンク
ブルーイノベーション株式会社
Blue Innovation Co., Ltd.
日本・東京都文京区 Blue Earth Platform(BEP) インフラ点検、物流、教育 複数ドローン・ロボットの遠隔制御と統合管理 電力会社や石油化学プラントでの点検ソリューション提供 ブルーイノベーション
株式会社Liberaware(リベラウェア)
Liberaware Co., Ltd.
日本・千葉県千葉市 小型ドローン「IBIS」 屋内空間の点検・測量 非GPS環境下での自律飛行、狭小空間での高精度データ取得 下水道、トンネル、プラント内部の点検実績 Liberaware
エアロセンス株式会社
Aerosense Inc.
日本・東京都北区 垂直離着陸型ドローン「エアロボウイング」 測量、点検、物流 長距離・広範囲の自律飛行、高精度3D測量 建設現場での測量、スポーツ中継、災害時の状況把握 エアロセンス
Terra Drone株式会社
Terra Drone Corporation
日本・東京都渋谷区 測量・点検・農業向けドローンソリューション 測量、点検、農業、運航管理 グローバルな展開力と多様な産業へのソリューション提供 UAVグリーンレーザで橋脚周りの河床洗掘状況を3次元取得:新潟県 TerraDrone
株式会社自律制御システム研究所(ACSL)
Autonomous Control Systems Laboratory Ltd.
日本・東京都江戸川区 産業用自律飛行ドローン 郵送物流、インフラ点検、防災・災害対応 自律制御技術を核とした高性能ドローンの開発 橋梁・プラントなどインフラ点検分野での豊富な実績、ドローン専業メーカーとして初のIPO ACSL
株式会社アイ・ロボティクス
i Robotics Corporation
日本・東京都渋谷区 狭隘部・高所調査点検ソリューション インフラ、プラント、商業施設 ドローンやロボット、IoTやAIなどの先進技術を組み合わせたサービス開発 物流施設運営における施設管理サービスの開発 アイ・ロボティクス

 

道路点検用ドローンのメーカー6選

ブルーイノベーション株式会社

会社概要:1999年設立。東京都文京区に本社を構え、ドローンやロボットを活用した業務の自動化・DX化を推進する企業。

おすすめポイント:独自の統合プラットフォーム「Blue Earth Platform(BEP)」を活用し、複数のドローン・ロボットを一括制御。高所や狭隘部での点検業務を安全・効率的に支援。

こんな事業者向け:高所作業や危険エリアでの点検業務を抱える自治体・インフラ管理者に最適。

株式会社Liberaware(リベラウェア)

会社概要:2016年創業。千葉県に本社を置き、産業用屋内ドローン「IBIS(アイビス)」を中心に狭小空間点検のソリューションを展開。

おすすめポイント:非GPS環境でも飛行可能な超小型ドローンにより、ダクト・配管・トンネルなど従来の点検が困難だった場所でも撮影・解析を実現。

こんな事業者向け:トンネル、下水管、プラント設備など狭隘部の点検を求める事業者におすすめ。

エアロセンス株式会社

会社概要:ソニーとZMPの共同出資で設立された国産ドローンメーカー。東京都港区に本社を構え、測量・点検分野に特化した機体とシステムを提供。

おすすめポイント:長距離飛行が可能なVTOL型ドローン「エアロボウイング」や、高精度3D測量に対応した「エアロボマーカー」など製品ラインが豊富。

こんな事業者向け:広範囲の道路や構造物を一括点検したい測量・インフラ管理業者に最適。

Terra Drone株式会社

会社概要:2016年創業、東京都渋谷区に本社を構えるグローバルドローン企業。国内外で産業向けドローンサービスを展開。

おすすめポイント:測量・点検・監視など幅広いソリューションを提供。交通量調査や構造物の3D化など、インフラ向けにも多彩な実績。

こんな事業者向け:複数のドローンサービスを一括導入したい、包括的な業務DXを検討する事業者向け。

株式会社自律制御システム研究所(ACSL)

会社概要:2013年創業。国産産業用ドローンのリーディングカンパニーで、東京都江戸川区に本社を構える。

おすすめポイント:完全自社開発による国産ドローンで、セキュリティやサポート体制も安心。橋梁・プラントなどインフラ点検分野で豊富な実績。

こんな事業者向け:国産機にこだわる公共事業者や、セキュリティ要件の厳しいプロジェクト向け。

株式会社アイ・ロボティクス

会社概要:東京都渋谷区に本社を置き、ドローンや自律ロボットによる点検ソリューションを提供。鉄道・土木業界への導入実績も多数。

おすすめポイント:壁面打診、狭所点検、地下空間の探索など、特殊環境に強み。大阪メトロの構造物点検にも採用されている。

こんな事業者向け:点検困難な箇所を多数抱える鉄道事業者や老朽インフラ管理者に最適。

 

まとめ

本記事では、道路や橋梁といったインフラ点検業務に活用される「道路点検用ドローン」について、国内の注目メーカー6社を紹介し、それぞれの強みや製品特性を比較しやすい形式で整理しました。いずれも国内での運用実績があり、信頼性・技術力の面で公共インフラ事業者が導入を検討する上で有力な選択肢となります。

各社には明確な差別化ポイントがあります。たとえば、ブルーイノベーション株式会社は統合プラットフォームによる多機体の遠隔制御に強みがあり、複数ロボットを一元的に管理したい自治体向きです。Liberawareは屋内や非GPS環境でも安定飛行できる超小型機で、下水管や配管内部の調査に最適。エアロセンスはVTOL型機を活かした広域・長距離の飛行に優れており、災害時の状況把握や広範囲の道路調査に強みを持ちます。

Terra Droneは測量から農業、運航管理までをカバーする総合力があり、「点検業務だけでなく、将来的に業務全体をドローンでDX化したい」と考える事業者に向いています。ACSLはセキュリティ対応に優れた完全国産機で、官公庁や重要インフラ事業者に適しており、アイ・ロボティクスは狭所や壁面、地下空間といった“特殊環境”への対応力で差別化されています。

これらを踏まえ、事業者が選定する際のポイントとしては、以下の観点が重要になります:

  • ①点検対象の環境・場所:橋梁、高架下、トンネル、屋内配管など、対象物の特性に応じた飛行性能(GPSの有無、サイズ、飛行時間など)を確認する。
  • ②必要なデータの種類と精度:写真・動画だけでなく、3D点群、LiDAR、赤外線などのデータ形式が必要かどうかを明確にし、対応するセンサー搭載機を選ぶ。
  • ③操縦・点検の人材リソース:自社で操縦者を育成するのか、委託するのかにより、操作性やマニュアルの有無、運用支援体制の充実度も評価対象となる。
  • ④保守・アフターサポート:故障対応や消耗部品の交換、定期点検の支援体制が整っているか。特に地方事業者にとっては対応拠点の地域性も要検討項目。
  • ⑤セキュリティ・データの取り扱い:国産機かどうか、通信の暗号化対応、クラウドとの連携可否など、情報セキュリティ要件への対応状況を確認する。
  • ⑥価格とライフサイクルコスト:本体価格だけでなく、年間保守費、教育費、部品交換費用を含めた5年〜10年スパンでのTCO(総保有コスト)で比較する。

これらの観点をふまえて、現場環境や導入目的、人的リソース、保守体制との相性を見極めることで、自社にとって最も効果的なドローンの導入が実現できます。カタログスペックだけでなく「使いこなせるか」「継続的に運用できるか」を判断基準とし、段階的な導入と活用ノウハウの蓄積を図ることが重要です。

 

道路点検用ドローン導入チェックリスト

本チェックリストは、道路インフラ事業者がドローンの導入を検討する際に、事前に整理すべき観点を体系的にまとめたものです。設備部門・土木部門・情報部門・経理部門など関係部署と連携しながら、導入判断・メーカー選定に活用ください。

① 点検対象・飛行環境の整理

  • 主な点検対象は明確か?(道路、橋梁、トンネル、法面など)
  • 屋外 / 屋内、昼間 / 夜間、有人 / 無人環境の区分は?
  • 飛行環境に制限はあるか?(GPS不安定、高圧線、電波干渉)
  • 安全確保のための立入規制・注意喚起措置は整備できるか?
  • 作業計画書・飛行許可申請の手順は社内で定まっているか?

② 機体性能・センサー仕様

  • 必要な飛行時間・航続距離・飛行安定性の目安は?
  • 狭小空間・屋内での飛行や非GPS環境での制御は可能か?
  • 必要なセンサー(可視カメラ、赤外線、LiDAR、ステレオ)は搭載可能か?
  • データ精度・分解能は用途に十分か?
  • 夜間・逆光下・高所でも十分な視認性・撮影性能があるか?
  • 冗長化(バッテリー2系統、フェールセーフ機能など)はあるか?

③ データ管理・利活用体制

  • 取得した点検データはどの部署が管理・活用するか明確か?
  • 画像・動画・点群データの保存容量や保管方法は定まっているか?
  • クラウド管理・AI解析を行う場合、そのセキュリティ体制は十分か?
  • 帳票出力・CAD連携など社内業務フローと接続できるか?
  • データの真正性・保存義務(法令)に対応しているか?

④ 運用体制・人材育成

  • 操縦者・管理者の人員体制は確保できているか?
  • 資格・教育(国家資格、民間講習)取得が必要か?
  • 運用マニュアルや手順書、点検スケジュールは整備できるか?
  • 異常時の対応(緊急着陸、事故報告、機体回収)は定まっているか?
  • 機体の定期点検・バッテリー管理など保守スキームは構築済みか?

⑤ コスト・導入予算

  • 本体価格、年間ライセンス、クラウド利用料などは明示されているか?
  • 操縦者教育・機体更新・補修部品などの費用も含めて試算済みか?
  • 補助金・交付金の対象となる機種・用途か調査したか?
  • 複数年にわたるライフサイクルコスト(5~10年)を評価したか?

⑥ 契約条件・サポート体制

  • 導入後の技術支援(トレーニング、Q&A、リモート支援)はあるか?
  • 修理体制(国内対応か?パーツ供給のリードタイム)は整っているか?
  • クラウドやソフトウェアのアップデート・保守契約内容を確認したか?
  • データの所有権・機体紛失時の補償制度の有無は明記されているか?

⑦ ベンダー比較・評価

  • 複数メーカーから見積・仕様書を取得し、仕様比較を行ったか?
  • 現地実証やデモ飛行により、現場条件での有効性を確認したか?
  • 既導入事業者の事例や実績を確認し、問い合わせも行ったか?
  • ベンダーの導入実績、体制、開発スピードなどを総合評価したか?

⑧ 将来の展開・拡張性

  • 将来的な点検対象の拡大(橋梁→法面など)に対応可能な機体か?
  • 機体やソフトの拡張性(センサー追加、AI連携など)はあるか?
  • 他システム(CIM、GIS、BIM)との連携実績・計画があるか?

このチェックリストを活用することで、点検部門だけでなく、情報システム、財務、危機管理など複数部署との共通認識を形成し、現場で「使いこなせる」ドローン導入を実現できます。プロジェクト初期段階での検討抜けを防ぎ、確実かつ段階的な導入のための基盤整備にお役立てください。

会社名株式会社MR.Nexus

住所〒103-0022 東京都中央区日本橋室町1丁目11番12号 日本橋水野ビル7階

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