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新日本海フェリー「新造船」を2025年就航へ!小樽~舞鶴の現行船を置き換え

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2025年12月、新日本海フェリー株式会社は新造船を就航させる計画を発表しました。この新造船は、小樽~舞鶴航路で活躍する「はまなす」「あかしあ」の後継船として設計されており、環境負荷の低減や効率的な輸送を実現する次世代フェリーとなります。本記事では、この新造船の技術的な背景や課題について詳しく解説します。

新日本海フェリー新造船の特徴と技術的背景とは?

新造船は、全長199.0m、総トン数約14,300トン、航海速力28.3ノットと設計され、主機に出力8540kWのエンジンを4基搭載しています。これにより、従来の「日本最速」のフェリーと比べてやや低速化するものの、燃費効率の向上を実現しています。

この変更の背景には、近年の国際的な環境規制の強化があります。特に、2020年以降の国際海事機関(IMO)による硫黄酸化物(SOx)排出規制や、2050年までの温室効果ガス排出量削減目標が業界に大きな影響を与えています。新日本海フェリーでは、燃費向上のための最適化設計や、排ガス浄化装置(スクラバー)の導入が予定されています。

新日本海フェリー新造船の積載能力と旅客定員の変化について解説!

新造船は、トラック約150台、乗用車約30台、旅客定員286名を収容可能です。一方、現行船はトラック158台、乗用車65台、旅客定員746名となっており、特に旅客定員が大幅に削減されています。この変化は、貨物輸送の需要が高まる一方で、LCC(格安航空会社)の普及による単独旅客の利用減少を背景としています。

また、トラックドライバーの休憩空間や、貨物の積み下ろし効率を向上させるため、船内レイアウトが全面的に見直されています。これにより、港での作業時間の短縮や、トラック輸送の利便性向上が期待されています。

新日本海フェリー新造船の技術的課題と今後の展望は?

新造船の導入に際しては、いくつかの技術的課題があります。まず、燃費効率のさらなる向上を図るためのハイブリッド推進システムや、再生可能エネルギー利用の可能性を模索する必要があります。また、低速化による輸送時間の増加をどのように補うかが課題となります。

船内設備の最適化も重要なポイントです。貨物と旅客スペースの配置や、ドライバー用の快適な休憩スペースの確保など、利用者目線での設計が求められます。さらに、デジタル技術を活用した運航管理システムの導入により、運航効率や安全性の向上を図る計画です。

これらの取り組みは、新日本海フェリーが環境規制や市場の変化に対応し、競争力を維持するための重要な一歩となるでしょう。

まとめ:新日本海フェリー「新造船」を2025年就航へ!小樽~舞鶴の現行船を置き換え

  • 新日本海フェリーは2025年12月に新造船を就航予定。
  • 新造船は、燃費効率の向上や環境規制適合を目的に設計されている。
  • 旅客定員を減らし、貨物輸送ニーズに応える設計が特徴。
  • 技術的課題として、燃費効率向上、運航時間の短縮、利用者目線での設備設計が挙げられる。
  • デジタル技術を活用した運航管理システムの導入が今後の鍵。

参考文献:

 

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