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JR東海、水素エンジンハイブリッドシステムの性能試験を公開!脱炭素化に向けた取り組み

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2025年2月、JR東海は開発を進めてきた水素エンジンハイブリッドシステムの性能試験を公開しました。この試験は、愛知県小牧市の研究施設にて実施され、水素エンジンの実用化に向けた重要なステップとなります。今回の試験では、水素エンジンの基本的な動作確認に加え、既存のディーゼル車両との性能比較や、水素燃焼による出力特性、燃費効率などが評価されました。

ついに公開!水素エンジンハイブリッドシステムの性能試験

JR東海はこれまで、新幹線の電化区間においては効率的なエネルギー供給が可能でしたが、在来線の非電化区間では依然としてディーゼルエンジンに頼らざるを得ませんでした。特に、ローカル線では電化設備の導入がコスト面で課題となるため、代替燃料の開発が求められていました。その解決策として、同社は水素エンジンハイブリッドシステムの開発に着手しました。

試験公開の場では、JR東海の技術者が水素エンジンの基本構造や運転制御技術について詳細な説明を行いました。特に、今回の試験で着目されたのは、水素燃焼時の熱効率と排ガス特性でした。従来のディーゼルエンジンに比べ、CO2排出量をゼロに抑えられる点が強調される一方で、高温燃焼による窒素酸化物(NOx)の発生が課題として浮上しました。

水素エンジンハイブリッドシステムの技術的特徴とは?

水素エンジンハイブリッドシステムの技術的特徴とは?

今回公開された水素エンジンハイブリッドシステムは、従来のディーゼルエンジンをベースに開発された水素専用エンジンと、JR東海が開発してきたハイブリッド駆動システムを組み合わせたものです。このシステムは、以下の主要コンポーネントで構成されています。

  • 水素エンジン: 産業用ディーゼルエンジンをベースに改良され、水素燃料の高効率燃焼を実現。
  • 発電機: 水素エンジンの駆動により発電し、電力を蓄電池や駆動モーターに供給。
  • 蓄電池: 停止時や低速走行時には蓄電池の電力で走行することで、エネルギー効率を向上。
  • 駆動モーター: 発電機と蓄電池からの電力を受け取り、車両を駆動。

このシステムは、従来のディーゼル車両と比較して二酸化炭素排出量をほぼゼロに抑えつつ、安定した出力を確保することが可能です。特に、水素燃焼時の効率性を向上させるため、燃焼室の最適化や高圧縮比による熱効率向上が図られています。

性能試験で明らかになった課題と今後の展望

今回の性能試験により、水素エンジンハイブリッドシステムの基本的な動作や出力特性が確認されましたが、実用化に向けていくつかの課題も明らかになりました。その中でも特に重要なのが、以下の3点です。

  • 水素供給インフラの整備: 水素ステーションの設置が限られており、安定した燃料供給が課題。
  • 長距離走行時の燃費効率: 燃焼効率の最適化により、航続距離を延ばす必要がある。
  • 安全対策: 水素燃料の高圧貯蔵技術や漏洩防止技術の確立が不可欠。

これらの課題を解決するため、JR東海は引き続き研究開発を進め、2026年には実際の在来線路線での試験運行を予定しています。さらに、水素供給インフラの整備に向けて、政府や民間企業との連携を強化する方針です。

まとめ

  • 2025年2月、JR東海は水素エンジンハイブリッドシステムの性能試験を公開。
  • 水素エンジンと蓄電池を組み合わせることで、CO2排出量ゼロのハイブリッド駆動システムを実現。
  • 実用化に向けて、水素供給インフラの整備や長距離走行時の燃費効率向上が課題。
  • 2026年には在来線での試験運行を予定し、政府や企業と連携しながら開発を進める。

参考文献

 

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