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水素パワーで物流革命!DHLがFCトラック実証走行スタート
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未来の物流を切り拓く!なぜ今“水素パワー”なのか?
2025年8月にDHLサプライチェーンは、日本国内において水素を燃料とする燃料電池トラック(以下FCトラック)の実証走行を開始しました。この取り組みは、脱炭素や持続可能な物流への転換を目指す社会的課題と深く結びついています。今回のFCトラックの導入により、物流業界が抱えるCO₂削減の要請に応えるとともに、輸送の信頼性・実用性も確保するという「両立」が求められています。
FCトラックの導入には、従来のディーゼル車とは異なる燃料インフラ、すなわち水素ステーションや高圧タンクの整備が不可欠です。また、燃料電池による電力供給・モーター駆動という新たな駆動方式への対応も必要です。これらのハード・ソフト両面の技術連携こそが、FCトラックを物流現場に適応させる鍵となります。
さらに、国土交通省が進める各種補助事業(例:サプライチェーン最適化の補助)との併用により、FCトラック導入に伴う初期投資や運用効率化の両面での支援も期待できます。こうした政策支援との連携は、FCトラックの普及を後押しする重要な要素です。
動かす技術の中身を探るコアタスクとは?
FCトラック実証走行に必要となる技術的タスクは多岐にわたります。まず、水素燃料の高圧タンクから燃料電池への供給制御です。これには高圧ガス管理や安全性確保のためのバルブ制御、センサー連携が求められます。また、燃料電池で発電された電力を安定供給するための電力変換・電力管理システムも重要です。
さらに、FCトラックの航続可能距離(約260km、LNEWSより)を土台に、積荷・運行距離・エネルギー消費の最適化を図る運行計画アルゴリズム設計も必要です。EVトラック・FCVの充電・補給タイミングを見据えたサプライチェーン全体との連携も課題であり、国交省の補助事業でも課題となっている分野です。
これに加え、モーター駆動におけるトルク制御や駆動効率の最適化、そして再生可能エネルギーと組み合わせた運用設計も、実用性の高いFCトラック導入には不可欠な技術タスクです。
運用の裏側に潜む!システムの“つながり”を描く
FCトラックを物流現場に実装するにあたっては、荷主・物流事業者・充填インフラなどをつなぐ情報連携システムが要になります。例えば、充填ステーションとのAPI連携により、水素充填可能な場所やタイミングなどをリアルタイムに把握し、効率的な運行計画を作成することが可能になります。
また、FCトラック自身のテレマティクス(位置情報、燃料残量、運行状態など)のデータを収集・分析する基盤が必要です。これにより、予防保全・航続距離の精度向上・運行最適化を実現できます。さらには、顧客企業(例:富士通のオペレーション間輸送)との連携において、牽引用途、荷待ち時間の短縮、運行効率といったパラメータを統合的に管理する仕組みも求められます。
このような情報プラットフォームには、クラウドベースの運行支援システムやAPI連携基盤が含まれる可能性が高く、物流現場のデジタル基盤強化が進む中で非常に重要です。
まとめ
- 2025年8月、DHLが日本でFCトラックの実証走行を開始。燃料に水素を使い、環境負荷を低減しつつ荷主ニーズに対応した物流を目指す。
- 必要な技術タスクには、高圧水素管理・燃料電池制御・電力管理・航続距離最適化・運行アルゴリズム設計などが含まれる。
- 情報プラットフォーム整備として、充填インフラ連携、テレマティクスデータ分析、顧客企業との運行管理連携が重要。
参考文献:
※掲載されている画像は、Mobility Nexusが独自に生成したイメージです。実際の製品・風景とは異なる可能性がありますのでご了承ください。
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