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「充電停車ゼロ!」走るEVに“無線給電”で500キロ連続走行に成功!

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デンソーは2025年6月に、走行中の電気自動車(EV)にワイヤレスで給電し、500キロの連続走行に成功したと発表しました。この革新的なワイヤレス給電によって、充電停車の概念を覆す未来が現実味を帯びてきました。本記事では、ワイヤレス給電の登場に至った社会的背景や、今後解決すべき技術的な課題、そしてシステムの全体構成と技術的タスクについて、深掘りしてご紹介します。

 

グッと進化!充電停車レスなワイヤレス給電の狙いと背景!

デンソーが2025年6月に発表したワイヤレス給電による500キロ連続走行成功は、EVの“充電停車レス”という未来への大きな一歩となる試みです。従来、多くの都市部では充電スポットの混雑や停車時間の増加によって、EV導入の障壁となっていました。この課題に対し、ワイヤレス給電は「充電停車をなくす」ことで、利便性を劇的に向上させる解決策となります。

ワイヤレス給電はEVの“充電停車レス”を実現する鍵であり、“充電停車レス”の実現は長距離運用を可能にし、EVの社会受容性を大きく高めます。また、“充電停車レス”技術はバッテリー容量の低減やコスト削減にもつながり、EVのトータルコストを引き下げる可能性が高まります。

こうした背景があるからこそ、デンソーによる“充電停車レス”ワイヤレス給電の成功は、EV時代への本格的な基盤整備に向けた重要なステップとして注目されます。

 

「次の壁突破へ!直面する技術的ハードルと解消へのアプローチ!」

「充電停車レス」ワイヤレス給電には、まだ解決すべき技術的課題が複数存在します。

まず、送電コイルと受電コイルの精密な位置合わせが求められます。走行中に最適な給電を継続するには、わずか数センチのずれも許されません。最近の研究では、RFIDベースの位置検出によって、10cm未満の精度で調整が可能であることが示されています(arXiv 2023年)。

さらに、給電効率の維持も大きな課題です。道路構造との共振特性、インバータや高周波発振系との協調が鍵となります。例えば、GaN(窒化ガリウム)ベースの高出力Hブリッジインバータを用いた設計は、効率と制御性向上に寄与すると報告されています。

加えて、安全性の確保が欠かせません。送電が行われる地表には異物検知とEMF管理が必要で、SAEや欧州の研究ではこの点への懸念が指摘されています。

そのほか、インフラ整備による道路寿命や耐熱の影響、およびシステムのコスト最適化も検討課題です(独BMWKによる報告やTRLの調査)。

 

Tech構成!システムの全体像と推進に向けた技術タスク!

システム全体としては、以下の構成と技術タスクが必要です。

  • 【地上送電コイル】道路に埋め込まれた送電インフラの設計・耐久性評価・コスト低減。
  • 【車載受電ユニット】インバータ制御・高効率給電回路・位置ずれ補正用センサーの開発。
  • 【位置調整システム】RFIDやBluetoothを用いた高精度アライメント実装。
  • 【EMF・異物セーフティ】異物検知センサー、安全基準との整合、EMF暴露評価。
  • 【歩道耐用性検証】舗装材や道路構造との相性評価、熱・機械ストレス解析。
  • 【通信・制御連携】車両・インフラ間通信、充電制御プロトコル、安全通信基盤の確立。
  • 【標準化と互換性】SAE J2954などの規格との整合、業界横断的な互換性の確保 。

これらのタスクを統合し、都市や高速道路への社会実装を目指すには、官民協働と情報共有によるロードマップ作成が不可欠です。

 

まとめ

  • デンソーは2025年6月、走行中にワイヤレス給電し「充電停車レス」で500キロ連続走行に成功した。
  • 社会的背景として、充電インフラの混雑や停車時間による利便性低下が新技術の導入を促している。
  • 技術課題は、精密位置合わせ、効率維持、安全性、道路耐久性、コスト最適化、通信・制御、標準化の七つ。
  • システム構成は、地上送電コイル、車載受電ユニット、位置調整システム、安全監視、耐用性試験、通信制御、標準対応といった技術タスク群に分かれる。
  • 今後は、都市・高速といった社会インフラへの展開を視野に、実証実験と標準化推進によるロードマップ策定が必要。

参考文献

※掲載されている画像は、Mobility Nexusが独自に生成したイメージです。実際の製品・風景とは異なる可能性がありますのでご了承ください。

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