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設備状態データと連動し、年次計画の作成を自動化するアイデア | 導入チェックリスト付
株式会社MR.Nexus(エムアールネクサス)
背景と現場課題
公共交通インフラを支える設備管理業務において、「年次計画の策定」は現場と本社を横断する重要業務の一つです。信号・電力・通信・車両・軌道など多岐にわたる設備群を対象に、毎年度の点検・修繕・更新の予定を立てる作業は、経年劣化や法定周期を踏まえつつ、人的リソースや予算とのバランスを調整しながら進められています。
しかし現実には、この年次計画の策定プロセスは極めて属人的かつ手作業依存が強くなっています。多くの現場では、担当者が前年度の計画ファイルを複製し、設備台帳や点検記録、過去の故障履歴を個別に参照しながらExcelなどで更新しているのが実情です。複数部門の連携が必要な作業であるにもかかわらず、「誰がどの設備を、どの基準で、なぜこの時期に入れているのか」という判断根拠が明文化されないまま、“例年どおり”の慣行で踏襲されてしまうケースも少なくありません。
この結果として、以下のような構造的課題が現場で顕在化しています。
- 設備状態と計画が連動しておらず、直前に急遽予定変更や未然に防止できたはずの故障が発生してしまうことがあります。
- 担当者の異動時に引き継ぎが困難で、更新判断が一時停止したり、抜け漏れが生じる恐れがあります。
- 対象設備が膨大なため、全体最適よりも「見えている範囲内の安全確保」が優先され、年次更新の予算配分に偏りが生じやすくなっています。
- 本社と現場間の調整に時間を要し、計画が年度末近くまで確定しないこともあります。
特に信号や通信設備のように、経年劣化によって信頼性が低下しやすく、故障が業務に直結する機器については、状態に応じた更新判断が求められます。しかし現場で収集される設備状態のデータは散在しており、定量的な劣化評価に活用されていないケースが大半です。
また、多くの事業者が導入している設備台帳システムや点検報告ツールには、蓄積された情報から次年度の更新計画を自動提案するような機能は備わっていません。台帳と計画、そして現場の実態が三者三様に乖離したまま、それらを人力でつなぎ合わせることによって業務が成立しているのが現状です。
これは単なる業務効率の問題にとどまらず、更新の優先順位づけやリスクアセスメントの正確性にも影響を与える重要な課題です。仮に設備の状態と年次計画が自動的に連動する仕組みが構築されれば、属人性を排し、より合理的で安全性の高い保守戦略を実現できる可能性があります。
会社名株式会社MR.Nexus(エムアールネクサス)
住所〒103-0022 東京都中央区日本橋室町1丁目11番12号 日本橋水野ビル7階
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