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鉄道用非常停止ボタン(非常停止合図器)メーカー 3選 | 導入チェックリスト付

株式会社MR.Nexus(エムアールネクサス)

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製品特性

               
安全対策
               
自動化・効率化
               
顧客満足度向上
               
保守性・信頼性向上
               
人手不足対策
               
法令遵守・SDGs

鉄道の安全運行を支える設備の中でも、駅ホームや線路沿いに設置される非常停止ボタン(非常停止合図器)は、乗客や作業員が異常を即座に知らせ、列車の緊急停止を促す重要な保安機器です。特に駅構内では、視認性・操作性・信頼性が高く、既存の信号システムや遠隔監視装置と連携できることが求められています。

本記事では、国内で非常停止ボタンを製造・供給している主要メーカーについて、製品の特長や導入実績、技術面での優位性を整理しました。展示会カタログを意識した構成とし、比較表を交えて分かりやすく紹介しています。製品選定や仕様検討の初期段階で活用できるよう、実務担当者にとって必要な視点を重視して構成しています。

各メーカーのページでは、非常停止ボタンの基本的な仕様に加えて、設置環境や制御方式、信号設備との親和性など、導入前に確認すべきポイントを網羅。導入検討中の事業者様に向けて、実際の製品比較や相談に役立つ出発点となることを目指しています。

 

鉄道用非常停止ボタン(非常停止合図器)メーカー一覧表

メーカー名 国・地域 主な製品 ターゲット市場 技術の強み 採用事例 リンク
永楽電気株式会社 (Eiraku Electric Co., Ltd.) 日本・大阪府 戸閉・非常停止合図器(LED表示) 駅ホーム設備 高輝度LED&ソリッドステート回路による長寿命・高信頼性 私鉄各社の駅ホーム 永楽電気
東邦電機工業株式会社 (Toho Electric Co., Ltd.) 日本・神奈川県 列車非常停止警報装置(表示盤/LED+ブザー) 駅ホーム・踏切 誤操作防止ゴムボタン、全方向視認LED+ブザー連動 駅構内、踏切 東邦電機
株式会社三工社 (Sankosha Co., Ltd.) 日本・東京都 列車非常停止スイッチ(埋込防水型等)、表示盤 駅ホーム・保安設備 防水設計/LED表示補助灯搭載/グッドデザイン賞受賞 JR大宮駅など都心駅多数 三工社

 

鉄道用非常停止ボタン(非常停止合図器)の日本国内メーカー3選

永楽電気株式会社(Eiraku Electric Co., Ltd.)

会社概要:大阪府を拠点とし、鉄道駅向けの合図伝達機器を展開。LED表示による「非常停止合図」や「閉扉合図」など、多彩な信号表示装置を提供しています。

おすすめポイント:高輝度LEDとソリッドステート回路により、長寿命かつ信頼性が高く、断線などのトラブルを抑制。標準納期3ヶ月という納期メリットも実用的です。

こんな事業者向け:カーブや柱により視界が限定されがちな駅ホームで、簡潔ながら確実な操作性と視認性を求める民鉄・公共鉄道の担当者に最適です。

東邦電機工業株式会社(Toho Electric Co., Ltd.)

会社概要:香川県高松市に本社を置き、踏切・駅構内用の列車非常停止警報表示盤やブザー連動装置など、鉄道関連制御機器を設計・製造するメーカーです。

おすすめポイント:誤操作を防ぐゴムボタン設計、全方向視認可能なLEDと警報ブザーの連動、さらに表示盤は背板着脱式で設置性にも配慮。

こんな事業者向け:駅・踏切での緊急停止装置に求める操作ミス防止、視認性、設置柔軟性を重視する自治体・鉄道事業者に向いています。

株式会社三工社(Sankosha Co., Ltd.)

会社概要:東京都を拠点に鉄道信号・防護機器を手掛ける老舗企業。列車非常停止スイッチ、非常通報装置、表示盤など幅広くラインナップを揃えています。

おすすめポイント:防水設計・軽量ポリカーボネート筐体・全周パッキン付きでホーム環境に強く、LED表示・復帰ボタン付きなど視認性と操作性も高評価。ロングライフデザイン賞受賞歴あり。

こんな事業者向け:JRや大手私鉄など多数導入実績を持ち、駅ホーム・車両基地での高信頼運用・メンテナンス性を重視する運行管理部門におすすめです。

 

まとめ:鉄道用非常停止ボタン(非常停止合図器)のメーカー

本記事では、鉄道用非常停止ボタン(非常停止合図器)を提供する日本国内の代表的なメーカーとして、永楽電気、東邦電機工業、三工社の3社を紹介しました。これらの企業はいずれも駅ホームや線路沿いでの安全確保に貢献する製品を提供しており、それぞれの製品特性や設置環境への対応力に違いがあります。ここでは、各社の特長を比較しながら、導入を検討する際の選定基準と事業者にとっての適合性を整理します。

まず、永楽電気は駅ホーム用の視認性に優れたLED合図器を中心に展開しており、カーブ区間や死角が多い場所でも高い視認性を確保できる設計が特長です。ソリッドステート回路による耐久性の高さ、誤動作が少ない構造、そして納期の安定性から、ホーム設備の標準化や設備更新を段階的に進めたい鉄道事業者にとって有力な選択肢です。特に、ホーム改修時に「既設設備との整合性」と「視認性向上」を同時に達成したい現場におすすめです。

次に、東邦電機工業は、非常停止ボタンと一体化した表示盤およびブザー警報装置を組み合わせた構成を特徴とし、操作性と情報伝達力の両立に強みがあります。誤操作を防ぐゴムボタン、四方向から視認可能な高輝度LED、警報音との連動など、利用者の立場から設計された製品が揃っており、特に小規模駅や踏切といった誤操作や視認ミスのリスクが高い環境で効果を発揮します。省スペースで高機能な設備を必要とする地方交通事業者に適しています。

そして、三工社は、大手鉄道事業者への採用実績が豊富で、特に駅ホームや車両基地など運行管理上の中核施設において信頼性を重視した設計が魅力です。軽量・防水の筐体、誤操作防止設計、LED補助灯など、多様なホーム環境に対応可能な仕様が整っており、保守性や視認性、耐候性を重視する現場に強く推奨されます。特に、複数路線を持つ大規模鉄道会社や、列車遅延や安全インシデントの影響が大きい都市部駅での導入に適しています。

以上のように、非常停止ボタンは単なる「押す装置」ではなく、操作性・視認性・設置性・信頼性といった多様な条件を満たす必要がある重要な保安機器です。導入に際しては、①設置環境(屋外/屋内、駅の構造)②視認・操作性(LED表示、音声・ブザーの有無)③既存システムとの整合性(信号連携、ネットワーク接続)といった要素を総合的に評価することが求められます。

永楽電気は視認性と標準機能重視、東邦電機はコンパクト高機能設計、三工社は実績に基づいた信頼性という強みを持ち、それぞれの技術が異なる現場ニーズに応えています。ご自身の鉄道事業の規模や駅構造、安全対策レベルに応じて、最適なメーカー選定を進めてください。

 

導入・更新チェックリスト(鉄道用非常停止ボタン)

設置・構造条件

  • 設置場所の視認性(カーブ・柱の影など)を確保できるか
  • 壁面・ポール・埋込など既存構造物との設置方式の整合性
  • 防水・防塵・耐候性能(屋外対応・IP等級)を満たしているか
  • 誤操作防止構造(カバー付き・突起形状・押し込み方式など)の有無
  • 表示灯や警報音などの補助装置を同一ユニットで設置可能か

対象システム・機器との整合性

  • 既存の信号装置・監視盤・遠隔制御システムとの接続可否
  • 電圧・回路構成(接点形式、DC/ACなど)が既設設備と一致しているか
  • 発報信号の形式(無電圧接点、通信式など)が仕様に適合するか
  • 非常停止押下時に、信号機を「無信号(02)」に制御する必要があるかを検討しているか
  • 上記が必要な場合、連動装置や信号システムとのインターフェースが仕様上接続可能か

運用・維持管理

  • 日常点検・機能確認が容易な構造であるか
  • ランプ交換・表示部修理などの作業性(工具・人手)の確保
  • 復帰操作が物理ボタン・自動復帰など運用方針と一致しているか
  • 予備品・メンテナンス部品の入手性・供給体制

コスト・調達条件

  • 初期導入費用(本体価格・工事費)の妥当性
  • 納期の安定性(特注対応含む)と在庫可否
  • ライフサイクルコスト(部品交換・耐用年数)の見積もり
  • 複数メーカー比較時の仕様書対応可否(オープン仕様か)

導入実績・ベンダー体制

  • 同一系列駅や同様規模の他事業者での導入実績
  • 設計・施工・保守まで一貫対応できる体制か
  • 緊急時の部品供給・トラブル対応のレスポンス
  • 技術資料(マニュアル・接続図・CADなど)の整備状況

セキュリティ・ネットワーク接続

  • 外部信号連携や遠隔通知を行う際の通信プロトコルの確認
  • 装置側に不正操作防止措置(物理カバー・鍵付き)があるか
  • 必要に応じてロギング・履歴記録が可能な機種を選定
  • ネットワーク接続時のセキュリティ要件(暗号化・VPNなど)

法令・制度対応

  • 鉄道運輸規程や駅構内設置に関する内規・基準への適合
  • 視覚・聴覚障がい者対応(音声ガイド・点字表示など)の配慮
  • 消防法・建築基準法における電気機器設置規定の遵守
  • 自治体や鉄道局からの導入指導・認可手続の確認

本チェックリストは、鉄道用非常停止ボタンの導入・更新を検討する際に、設置条件や信号系統との整合性、保守体制までを実務レベルで確認できるように整理したものです。自社の運行形態や設備構成に照らして、必要項目の検討にご活用ください。

会社名株式会社MR.Nexus(エムアールネクサス)

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