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鉄道駅の旅客案内表示装置(PIDS)メーカー4選 | 導入チェックリスト付

株式会社MR.Nexus(エムアールネクサス)

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製品特性

               
安全対策
               
自動化・効率化
               
顧客満足度向上
               
保守性・信頼性向上
               
人手不足対策
               
法令遵守・SDGs

鉄道駅の旅客案内表示装置(Passenger Information Display System:PIDS)は、列車の発車時刻、行先、番線、運行状況などを視覚的に伝える装置であり、駅利用者の円滑な移動を支えるインフラのひとつです。近年では、LCDやフルカラーLEDを活用した高精細表示、多言語対応、防災連携、可動表示の高度化が進み、単なる「表示器」から「情報プラットフォーム」へと役割を拡張しつつあります。

本記事では、鉄道駅の旅客案内表示装置(PIDS)を製造・提供する主要メーカーについて、比較しやすい一覧表とともに、それぞれの製品特長や技術的な強みを簡潔に紹介します。展示会カタログのように、事業者が短時間で自社に合った製品の検討ができるよう、シンプルで実用的な情報整理を心がけています。

更新・新設・リニューアルなど、設置目的に応じた製品選定を行う際の参考としてご活用ください。

 

鉄道駅の旅客案内表示装置(PIDS)のメーカー一覧表

メーカー名 国・地域/本社所在地 主な製品 ターゲット市場 技術の強み 採用事例 リンク(製品情報ページ)
株式会社新陽社(SHIN‑YOSHA CORPORATION) 東京都中央区 フルカラーLED発車標/512色LED/ストレッチLCD 大規模駅/多言語案内を要する駅 高輝度・高精細表示/多色対応/グッドデザイン賞 JR東日本、相模鉄道、京王線新宿駅など 新陽社
京三製作所(Kyosan Electric Mfg. Co., Ltd.) 東京都大田区 プラットホーム案内表示器/インフォメーション表示システム 駅・空港・バスターミナル 表示+放送+センサー統合/ユニバーサルデザイン対応 信号・ホーム安全実績多数 京三製作所
TOA株式会社(TOA Corporation) 兵庫県神戸市 駅舎用/車両用自動放送装置、IPオーディオシステム 駅全体・有人/無人駅の音声案内 電力増幅30W/音声明瞭化/多言語放送タブレット制御 JR東海、京阪、南海電鉄など15駅以上に多言語放送導入 TOA
LECIP株式会社(LECIP INC.) 岐阜県本巣市 LED行先表示器/LCD案内サイネージ(CMP) 鉄道・バス共用表示システム 共通プラットフォーム/多言語・動画・バス連携表示 高野山駅(多言語サイネージ) LECIP

 

 

鉄道駅の旅客案内表示装置(PIDS)の日本国内メーカー4選

株式会社新陽社(SHIN‑YOSHA CORPORATION)

1946年創業、鉄道駅向けに可変式LED・液晶発車標を中心に提供。512色フルカラーLEDやストレッチLCDなど多彩な表示方式を展開し、JR東日本・私鉄各社で採用実績が豊富です。
おすすめポイント:高輝度・多色表示で視認性抜群、多言語表示に対応可能。
こんな事業者向け:大規模駅や多言語案内ニーズの高い駅、新規・更新工事で「見せる案内」を重視する事業者。

京三製作所(Kyosan Electric Mfg. Co., Ltd.)

信号や可動ホーム柵と合わせた鉄道インフラ製品を手がける老舗。駅・空港・バスターミナル向けに案内表示と音声放送を統合したPIDSを提供し、ユニバーサルデザイン配慮の液晶表示や混雑状況可視化機能もラインアップ。
おすすめポイント:多機能統合システムにより、表示+放送+センサー連携が可能。
こんな事業者向け:既存のインフラと統合運用を目指す駅、混雑表示や音声案内との一括更新を検討する事業者。

TOA株式会社(旧:東洋音響)

鉄道駅向けに自動放送装置や駅構内音声案内システムを専門展開。30W電力増幅器によるクリアな放送音質、タブレットからの多言語自動案内など、運行情報と連動した放送制御機能が強み。
おすすめポイント:騒音下でも聞き取りやすい音声明瞭化技術・英語放送対応。
こんな事業者向け:音声案内の充実を重視する駅、小規模駅でタブレット運用や多言語放送を手軽に導入したい事業者。

LECIP株式会社(LECIP INC.)

LECIPグループの一員として、バス・鉄道向け機器を幅広く展開。駅向けにはLED行先表示機・LCD案内サイネージなどを提供し、バスや産業用途との共通化によるコストメリットが魅力。
おすすめポイント:鉄道・バス両方で使える共通プラットフォーム、導入・保守コスト低減。
こんな事業者向け:バス事業も展開している交通事業者、一括導入・保守体制をコンパクトにまとめたい事業者。

 

まとめ:鉄道駅の旅客案内表示装置(PIDS)のメーカー

本記事では、鉄道駅に設置される旅客案内表示装置(PIDS)を製造・提供する日本国内メーカーとして、「新陽社」「京三製作所」「TOA(東洋音響)」「LECIP」の4社を紹介しました。各社ともに異なる技術的強みとターゲット市場を持っており、導入目的や駅の規模、運用方針に応じた最適な選定が求められます。

まず、新陽社はフルカラーLEDやストレッチLCDといった高精細・高輝度の表示技術に特化しており、JR東日本をはじめとする主要駅で多数の導入実績があります。多言語対応や案内視認性を重視する大規模ターミナル駅、観光地など、情報の“見せ方”に力を入れたい事業者に最適です。

京三製作所は、信号・可動柵など駅インフラとの一体設計が強みであり、案内表示と放送、センサーなどを統合したスマート案内システムを構築できます。既存設備との連携や、駅の案内インフラ全体の更新を検討している事業者、特に大手私鉄や中核都市の中規模駅に向いています。

TOA(東洋音響)は駅構内の音声案内に長けた企業で、IPベースの自動放送装置や多言語対応の案内制御装置を提供しています。目視案内だけでなく聴覚的サポートを重視したい事業者や、外国人旅客が多い駅、無人駅でも案内レベルを維持したいケースに適しています。音声案内の品質・明瞭性を担保したい地方鉄道などにも有効です。

LECIPは鉄道とバス両方に展開できる共通プラットフォーム型のPIDSを提供しており、行先表示・案内サイネージを一括で構築できます。バス・鉄道を一体で運用する地方公共交通事業者や、コスト効率と保守統一を重視する事業者におすすめです。また、静的な表示だけでなく動画・アニメーションを活用した案内にも柔軟に対応します。

以上のように、同じ「旅客案内表示装置」といっても、重視する機能(視認性・統合性・音声案内・保守性など)によって選定すべきメーカーは異なります。導入を検討する際は、「駅の規模・旅客属性・既存インフラとの整合性・更新頻度」などを明確にした上で、ベンダー各社と丁寧にすり合わせることが重要です。製品スペックの単純な比較ではなく、現場ニーズと導入体制に即した選定基準の確立が、PIDSの効果的な導入・運用につながります。

 

導入・更新時チェックリスト(旅客案内表示装置(PIDS))

本製品を導入・更新するにあたり、以下の観点から事前確認を行うことで、計画段階での課題抽出や関係部門との合意形成をスムーズに進めることができます。

設置・構造条件

  • 設置場所(屋内・屋外)に応じた防水・防塵・耐候性能が確保されているか
  • 既存の支柱・壁面・天井構造に設置可能な寸法・重量であるか
  • 視認性(高さ・角度・照度・反射)に配慮した設置が可能か
  • 周囲の案内サイン・照明・広告との干渉や視認性の競合がないか

対象システム・機器との整合性

  • 駅構内の列車運行情報システム(CTC・ATOS等)との連携が可能か
  • 駅放送設備や自動放送装置との情報統合ができるか
  • 異なるメーカーの表示装置と混在させる場合の互換性があるか
  • 表示内容フォーマット(日本語・英語・時刻表式など)にカスタマイズ対応できるか

運用・維持管理

  • 表示内容の編集・更新が駅現場または遠隔から容易に実施できるか
  • 日常点検・定期点検の頻度と手順がマニュアル化されているか
  • 障害発生時のリモート診断やアラート通知機能が搭載されているか
  • 表示面の清掃やランプ交換など、現場で対応可能な保守作業範囲が明確か

コスト・調達条件

  • 初期導入費用(装置本体・制御装置・工事費)が予算内に収まるか
  • 更新時の調達方式(随意契約・一般競争入札)に対応可能な体制があるか
  • 複数年スパンでの保守契約または包括契約が提案されているか
  • バス・車両用PISと共通基盤を用いることで調達コストを統合できるか

導入実績・ベンダー体制

  • 同様の駅規模・条件での導入実績が確認できるか
  • 全国対応可能な保守体制・拠点網を有しているか
  • トラブル発生時の一次対応・代替機対応の実績があるか
  • 駅サイン・放送・設備に精通した専門技術者の常駐または配置が可能か

セキュリティ・ネットワーク接続

  • 情報配信系と制御系が適切に分離されているか(サイバー対策)
  • VPNや暗号化通信など、ネットワーク上の保護が構築されているか
  • 更新時にUSBやLAN経由での接続時にアクセスログが取得されるか
  • ローカルバックアップやフェールセーフ構成が備わっているか

法令・制度対応

  • 視覚障がい者支援(色覚バリアフリー・UDフォント)に配慮しているか
  • バリアフリー法、鉄道事業法、国交省ガイドライン等に準拠しているか
  • 火災・地震・停電等への非常対応仕様(耐震/UPS等)が整備されているか
  • 自治体・国交省・関係事業者との協議資料作成に対応可能なサポート体制があるか

上記の観点をもとに、現場条件や導入目的に合わせて各社製品の仕様を比較し、計画段階でのリスクと効果を明確にしていくことが重要です。

会社名株式会社MR.Nexus(エムアールネクサス)

住所〒103-0022 東京都中央区日本橋室町1丁目11番12号 日本橋水野ビル7階

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