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四国八十八ヶ所を完全ガイド|回り方・日数・費用・作法と全札所一覧【2026年版】

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四国4県にまたがる88の寺院をめぐる「四国八十八ヶ所」。回ってみたいと思っても、歩くのか車なのか、何日かかるのか、いくら必要なのかと決めることが多く、手が止まってしまう方は少なくありません。本記事では、5つの回り方の日数と費用の比較から、巡る順番、参拝の作法、全88札所一覧まで、はじめの一歩に必要な情報を整理してお届けします。

四国八十八ヶ所とは?空海ゆかりの巡礼路

四国八十八ヶ所とは?空海ゆかりの巡礼路

四国八十八ヶ所とは、四国4県に点在する88の寺院(札所)をめぐる巡礼路のことです。すべてを歩いてつなぐと全長はおよそ1,100〜1,400kmにおよびます。遍路道は一本ではなく複数のルートがあるため、選ぶ道によって距離が変わります。この巡礼の旅を「お遍路」、巡る人を「お遍路さん」と呼びます。

弘法大師(空海)が開いたとされる四国の霊場

四国八十八ヶ所は、平安時代の僧・弘法大師空海(774〜835年)にゆかりの深い霊場です。空海は讃岐国、現在の香川県善通寺市の生まれで、若い頃に四国各地の山や海辺で修行を重ねたと伝えられています。

その修行の跡をたどる形で、まず平安時代から鎌倉時代にかけて僧侶たちが四国をめぐるようになりました。88という数に整えられ、庶民が信仰の旅として広く歩くようになったのは江戸時代のことです。案内書が出版され、道しるべが整備されたことで、巡礼は一般の人々にも身近なものになりました。

現在では信仰目的の方だけでなく、退職や節目のタイミングで歩く方、体力づくりや自分と向き合う時間として選ぶ方、海外からの旅行者まで、参加する理由は非常に多様になっています。

徳島・高知・愛媛・香川=4つの「道場」

徳島・高知・愛媛・香川=4つの「道場」

88の札所は4県にまたがっており、それぞれの県に修行の段階を表す呼び名がついています。

札所番号 呼び名 特徴
徳島県 第1番〜第23番 発心(ほっしん)の道場
高知県 第24番〜第39番 修行(しゅぎょう)の道場 札所の間隔が最も長く、海沿いをひたすら進む
愛媛県 第40番〜第65番 菩提(ぼだい)の道場
香川県 第66番〜第88番 涅槃(ねはん)の道場 平野部が多く、結願に向けて距離が短くなる

四国を時計回りに一周する形になっており、徳島で発心し、高知で修行し、愛媛で悟り いう流れとして語られます。

なお、この4県区分は歩く難易度にも直結します。とくに高知県は札所と札所の間が数十路では最も体力と計画性が問われるエリアです。

「お遍路さん」「同行二人」の意味

「遍路」という言葉は、辺境の地をめぐる「辺地(へじ)」に由来するという説が有力 込めて「お」と「さん」がついたのが「お遍路さん」です。

お遍路の装束や納札には、必ず「同行二人(どうぎょうににん)」と書かれています。これは、たとえ一人で歩いていても弘法大師が常に隣にいてともに歩いてくれる、という意味です。金剛杖は弘法大師の分身とされており、この考え方はお遍路の作法全体の土台になっています。

四国八十八ヶ所の回り方は5通り|歩き・車・自転車・バスツアー・タクシーを徹底比較

四国八十八ヶ所の回り方に「正解」はありません。移動手段によって必要な日数も費用もまったく変わるため、まずは全体像を比較して自分に合うスタイルを決めるのが最短ルートです。

回り方 所要日数の目安 費用の目安 体力 向いている人
歩き 40〜50日 40〜60万円 非常に高い まとまった休暇が取れ、本来の形で巡りたい人
自転車 20〜30日 25〜40万円 高い 走ることが好きで、自分のペースを保ちたい人
車・レンタカー 10〜12日 15〜25万円 低い 効率を重視する人、家族やグループで回る人
バスツアー 10〜12回に分割 30〜45万円 低い 初めてで不安な人、運転をしたくない人
遍路タクシー 10日前後 50万円以上 非常に低い 高齢の方、案内を受けながら快適に回りたい人

費用はいずれも宿泊費・食事代・納経料を含んだ目安です。時期・宿の選び方・出発地によって大きく変動します。

歩き遍路(約40〜50日)

すべての札所を歩いてつなぐ、最も伝統的なスタイルです。1日あたり20〜30km、時間になり、全行程を通して歩き切るには40〜50日ほどかかります。

体力面のハードルは相応に高く、足のマメや膝の痛み、山道の登り下りへの対応が必要です。一方で、地元の方から声をかけられたり、他のお遍路さんと同じ宿で語り合ったりと、車では得られない体験が積み重なるのが最大の魅力とされています。

最初から通しで歩くのが難しい場合は、後述する「区切り打ち」で少しずつ進める方法が現実的です。

車・レンタカー(約10〜12日)

現在のお遍路で最も多いスタイルです。移動時間が大幅に短縮できるため、10日前後で1周できます。宿の選択肢も広がり、天候の影響も受けにくくなります。

ただし注意点もあります。山中の札所へ向かう道は道幅が狭く、対向車とのすれ違いに気を使う区間があります。第12番焼山寺、第20番鶴林寺、第21番太龍寺、第60番横峰寺などは特に運転に慣れが必要です。また、札所によっては駐車場が有料であったり、駐車台数が限られていたりします。冬季は山間部で凍結・積雪の可能性もあるため、時期によってはタイヤの備えも検討してく

四国へは高松空港・松山空港・徳島空港・高知龍馬空港のいずれかに入り、空港でレン す。

バスツアー(10回前後の分割)

旅行会社が催行する巡拝ツアーを利用する方法です。88ヶ所を10〜12回程度に分けて回 ほどかけて少しずつ結願を目指します。

最大の利点は、先達(せんだつ)と呼ばれる経験豊富な案内役が同行することです。参拝の作法や読経を教わりながら回れるため、初めての方でも迷いません。運転や宿の手配が不要な点も含め、心理的なハードルが最も低い選択肢と言えます。

一方で、日程は決まっているため自由度は低く、1ヶ所あたりの滞在時間も限られます。日帰りコースを設定している会社もあるので、まずは1回だけ参加して雰囲気をつかむという使い方もできます。

自転車・公共交通・タクシー

自転車は20〜30日ほど。歩きより速く車より土地の空気を感じられる中間的な選択肢ですが、山岳区間の登坂は相当な負荷になります。

公共交通機関(鉄道・路線バス)だけで回ることも不可能ではありませんが、山中の札所は最寄りのバス停から徒歩で長距離を歩く必要があり、本数も限られます。区間を絞って使うのが現実的です。

遍路タクシーは、お遍路に精通したドライバーが札所をめぐってくれる貸切サービスです。費用は最も高く 方や高齢の方にとっては有力な選択肢です。数名で乗り合わせれば1人あたりの負担は下げられます。

巡る順番のルール|順打ち・逆打ち・区切り打ち・一国参り

巡る順番のルール|順打ち・逆打ち・区切り打ち・一国参り

お遍路には回り方の「型」を表す言葉がいくつかあります。

呼び方 意味
順打ち 第1番から第88番へ番号順に回る、最も一般的な方法
逆打ち 第88番から第1番へ逆にたどる方法
通し打ち 88ヶ所を一度の旅で回りきる方法
区切り打ち 何回かに分けて少しずつ回る方法
一国参り 徳島だけ、高知だけというように県単位で区切って回る方法

基本は1番から順に回る「順打ち」

第1番霊山寺から第88番大窪寺へ番号順に進むのが順打ちです。道しるべや案内表示は順打ちを前提に整備されているため、初めての方は順打ちが圧倒的に迷いにくくなっています。

とはいえ、番号順に回らなければならないという教義上の決まりはありません。自宅から近い札所から始める方もいますし、旅程の都合で前後することもよくあります。実際に「どこから始めても構わない」と案内している札所も多く、大切なのは順番よりも巡り続ける気持ちだと考えられています。

逆打ちと閏年の言い伝え

逆打ちは第88番から逆にたどる方法です。案内表示が逆向きになるため難易度は上がり ound-color: #ffff00;">「逆打ちは順打ちの3倍の功徳がある」という言い伝えが広く知られています。

この背景にあるのが、伊予国の長者・衛門三郎(えもんさぶろう)の伝説です。弘法大 ったものの会うことができず、逆に回れば出会えるのではと考えて逆打ちをしたところ、ついに大師と巡り会えたと伝えられています。この出来事が閏年だったとされることから、閏年の逆打ちがとりわけ尊ばれるようになりました。

直近の閏年は2028年です。逆打ちを検討する場合は、道に迷いやすい点と、宿や食事の情報が順打ち前提で流通している点を踏まえて計画を立ててください。

初心者は「区切り打ち」が現実的

40日以上の連続した休みを確保できる方はごく限られます。そこで多くの方が選んでいるのが区切り打ちです。

連休のたびに数日ずつ進める、県ごとに1回の旅とする(一国参り)、年に2回のペースで数年かけて結願する。進め方は自由です。体力面の負担が分散され、季節のよい時期だけを選んで歩けるという利点もあります。

初めてお遍路をする方には、まず徳島県の第1番から第10番あたりまでを2〜3日で回ってみることをおすすめします。この区間は札所の間隔が短く、公共交通でもアクセスしやすいため、自分に合うスタイルを見極める試走として最適です。

お遍路は何日かかる?手段別の所要日数と距離のリアル

「お遍路は何日かかりますか」は、最も多く寄せられる質問のひとつです。答えは移動手段によって4倍以上変わります。

総距離と1日あたりの歩行距離

歩き遍路の総距離は、選ぶ遍路道によっておよそ1,100〜1,400kmです。東京から札幌までの直線距離がおよそ830km、東京から福岡までがおよそ880kmですから、その1.5倍前後を歩くことになります。

1日に歩ける距離の目安は20〜30kmです。平地が続く区間なら30km以上進める日もありますが、山越えのある日は15km程度しか の計画では、1日平均25km前後で組み、予備日を数日確保しておくと無理がありません。

手段別の所要日数一覧

回り方 通しで回る場合 1日あたりの目安
歩き 40〜50日 20〜30km/2〜3ヶ所
自転車 20〜30日 50〜80km/3〜5ヶ所
車・レンタカー 10〜12日 8〜10ヶ所
遍路タクシー 10日前後 8〜10ヶ所
バスツアー 10〜12回に分割 1回あたり2〜3日

最短で回りたい場合の考え方

車を使い、朝から夕方まで効率よく動けば、8日程度で回ることも計算上は可能です。ただし納経所の受付時間は、2024年4月の改定により原則として午前8時から午後5時までとなりました。以前より1時間短くなっているため、古い情報が狂います。この時間を外れると納経を受けられません。日没後の山道の運転も危険を伴います。

日数を詰めるほど1ヶ所あたりの滞在時間は短くなり、参拝が「記録を埋める作業」に近訪れるのですから、余裕を持った日程を組むことをおすすめします。

納経所の受付時間は札所によって異なる場合があります。最新の情報は四国八十八ヶ所霊場会 公式サイトでご確認ください。

費用はいくら?納経料・宿泊・装束の内訳

費用はいくら?納経料・宿泊・装束の内訳

お遍路にかかる費用は、大きく「納経料」「宿泊費」「食事代」「装束代」「交通費」の5つに分かれます。このうち納経料と装束代は回り方に関係なくほぼ一定で、残りの3つが手段によって変動します。

費用の内訳

項目 目安 備考
納経料(納経帳) 1ヶ所500円 × 88ヶ所=44,000円 2024年4月に300円から改定
納経料(白衣) 1ヶ所300円 200円から改定
納経料(掛軸) 1ヶ所700円 500円から改定
納経帳 2,000〜4,000円 最初に1冊購入
白衣・輪袈裟・菅笠・金剛杖など一式 10,000〜20,000円 すべて揃えた場合
ろうそく・線香・納札 5,000〜10,000円 88ヶ所分の消耗品
宿泊費 1泊6,000〜10,000円 宿坊・遍路宿・ビジネスホテル
食事代 1日2,000〜3,000円 宿の食事が付く場合は別
賽銭 1ヶ所あたり数十円〜 本堂・大師堂の2ヶ所

納経料は2024年4月1日に約30年ぶりに改定されました。同時に納経所の受付時間も午前8時〜午後5時に変更されています。最新の情報は霊場会公式サイトでご確認ください。

手段別の総額目安

手段別の総額目安

回り方 所要日数の目安 費用の目安 体力 向いている人
歩き 40〜50日 40〜60万円 非常に高い まとまった休暇が取れ、本来の形で巡りたい人
自転車 20〜30日 25〜40万円 高い 走ることが好きで、自分のペースを保ちたい人
車・レンタカー 10〜12日 15〜25万円 低い 効率を重視する人、家族やグループで回る人
バスツアー 10〜12回に分割 30〜45万円 低い 初めてで不安な人、運転をしたくない人
遍路タクシー 10日前後 50万円以上 非常に低い 高齢の方、案内を受けながら快適に回りたい人

宿の選択肢と相場

お遍路の宿には大きく3種類あります。

宿坊は寺院に併設された宿泊施設です。精進料理をいただき、朝のお勤めに参加できる札所もあります。1泊2食で6,000〜8,000円程度が目安で、お遍路ならではの体験ができます。

遍路宿・民宿は、古くからお遍路さんを受け入れてきた地域の宿です。1泊2食で6,000〜9,000円程度。洗濯機を使わせてもらえたり、翌日の道の状況を教えてもらえたりと、歩き遍路には心強い存在です。

ビジネスホテルは市街地に多く、価格も5,000〜9,000円程度と安定しています。車で回る場合は選択肢が広く使いやすいでしょう。

歩き遍路の場合、山間部では宿が数軒しかない区間があります。当日に飛び込みで探すのは難しいため、少なくとも前日までには予約を入れておくのが安全です。

服装と持ち物|白衣・輪袈裟・金剛杖は必須?

お遍路の装束には、それぞれ意味があります。ただし「全部揃えないと巡ってはいけない」という決まりはありません。

基本の装束と意味

服装と持ち物|白衣・輪袈裟・金剛杖は必須?

装束 読み 意味・役割
白衣 びゃくえ 巡礼者であることを示す。清浄と、いつ死んでもよいという覚悟を表す
輪袈裟 わげさ 首から掛ける略式の袈裟。参拝時に身につける
菅笠 すげがさ 日除け・雨除け。「同行二人」などの文字が書かれる
金剛杖 こんごうづえ 弘法大師の分身とされる。最も丁重に扱う
数珠 じゅず 参拝時に手にかける
納札 おさめふだ 本堂・大師堂に納める札。お接待のお礼にも渡す
頭陀袋 ずだぶくろ 納経帳や納札を入れて持ち歩く袋
納経帳 のうきょうちょう 各札所で墨書と朱印をいただく帳面

必須と任意の線引き

厳密に必要なものは、実はそれほど多くありません。最低限そろえたいのは、納経帳・納札・ろうそく・線香・数珠の5点です。これがあれば作法にのっとった参拝ができます

白衣や菅笠、金剛杖は「あればより本格的」というもので、普段着で回っている方も大 、白衣だけを羽織って参拝時に輪袈裟をかけるという簡略なスタイルが一般的です。

どこで揃えるか

第1番霊山寺には巡拝用品を扱う売店があり、装束一式をその場で揃えられます。店員のるため、順打ちで始める方はここで準備するのが最も効率的です。

このほか、各札所の売店やオンラインショップでも購入できます。まずは最低限のもの 中で買い足すという進め方でも問題ありません。

参拝の作法とお遍路でやってはいけないこと

作法は、覚えてしまえば難しいものではありません。

札所での参拝手順

札所での参拝手順

  1. 山門で合掌して一礼してから境内に入ります
  2. 手水舎で手と口を清めます
  3. 鐘をつきます(到着時につくのが作法。撞くことを禁じている札所もあるので表示を確認してください)
  4. 本堂へ進み、ろうそくを1本立て、線香を3本供えます
  5. 納札を納札箱に入れ、賽銭を納めます
  6. 読経します(般若心経など。唱えられない場合は合掌のみでも構いません)
  7. 大師堂へ移動し、4〜6と同じ手順を行います
  8. 納経所で納経帳に墨書と朱印をいただきます
  9. 山門を出るときに、本堂へ向き直って合掌一礼します

ろうそくと線香は、後から来る人が火傷をしないよう奥から立てるのがマナーとされています。

金剛杖の扱い方

金剛杖は弘法大師の分身です。そのため、扱いにいくつかの決まりがあります。

  • 橋の上では杖をつきません。弘法大師が伊予の十夜ヶ橋(とよがはし)の下で野宿をしたという言い伝えから、橋の下で休まれている大師を起こさないためとされています
  • 宿に着いたら、自分より先に杖の先を洗い、床の間など上座に立てかけます
  • 杖を地面に放置したり、またいだりしません

「お接待」は断らない

四国には「お接待」という独自の文化があります。地元の方がお遍路さんに飲み物や食事提供してくださるものです。

お接待は、自分の代わりに巡礼をしてもらうという意味を持つ行為とされています。そ は相手の徳を積む機会を奪うことになると考えられており、基本的には断らず、ありがたく受け取るのが作法です。

受け取ったら合掌して感謝を伝え、納札を1枚お渡しします。これがお接待に対する返礼の形です。

やってはいけないことNG集

やってはいけないことNG集

やってはいけないこと 理由
参拝前に納経所へ行く 納経は参拝を終えた証。順序が逆になります
帰りに鐘をつく 「出鐘(でがね)」と呼ばれ、縁起が悪いとされます
橋の上で金剛杖をつく 橋の下で休まれている弘法大師を起こさないため
お接待を断る 相手の善行の機会を断つことになります
納経帳に日付を書き足す 墨書は札所の方が書くもの。自分で加筆しません
境内で大声を出す・写真を撮り歩く 修行の場であり、他の参拝者の妨げになります
無理な日程を組む 事故や体調不良のもと。とくに歩き遍路では命に関わります

なお、逆打ちや順番についての言い伝えを「絶対のルール」として気に病む必要はあり も、形式より巡る心を大切にする姿勢を示しています。

いつ行くのがいい?季節ごとの特徴と難所「遍路転がし」

季節ごとのメリット・デメリット

季節 メリット デメリット
春(3〜5月) 気候が最も安定。桜や新緑が美しい。歩き遍路の最盛期 宿が混み合う。ゴールデンウィークは特に予約が取りにくい
夏(6〜8月) 日が長く行動時間を長く取れる 猛暑と熱中症のリスク。梅雨の長雨。歩き遍路には最も過酷
秋(10〜11月) 春と並ぶベストシーズン。紅葉が見頃 日が短くなり行動時間が限られる
冬(12〜2月) 人が少なく静かに巡れる。宿が取りやすい 山間部は積雪・凍結。一部の札所は通行止め

初めての方には春(4月)と秋がおすすめです。歩きやすさ、景色、宿の営業状況のバランスが最もよい時期です。

冬に計画する場合は、山間部の札所で通行止めや路面凍結が起こる点に注意が必要です 。冬に訪れる予定がある場合は、事前の確認が欠かせません。

難所「遍路転がし」

お遍路には、あまりの険しさに「遍路転がし」と呼ばれる難所がいくつかあります。転がり落ちるほど厳しい、という意味です。

札所 寺名 所在地 難所のポイント
第12番 焼山寺 徳島県神山町 最初にして最大の難関。標高差が大きい山越え
第20番 鶴林寺 徳島県勝浦町 急な登りが続く
第21番 太龍寺 徳島県阿南市 鶴林寺の直後に控える連続の登り
第27番 神峯寺 高知県安田町 「真っ縦」と呼ばれる急坂
第60番 横峰寺 愛媛県西条市 標高751m。八十八ヶ所で2番目に高い。山上への平野林道は有料(普通車2,000円/2024年時点)で、12月28日〜2月末は冬季通行止め
第66番 雲辺寺 徳島県三好市 標高約900m。八十八ヶ所で最も高い場所

歩き遍路の場合、これらの日は行程を短めに設定してください。車の場合も、道幅の狭い山道が続くため時間に余裕を持った計画が必要です。第66番雲辺寺はロープウェイを利用できます。

四国八十八ヶ所 全札所一覧【徳島・高知・愛媛・香川】

第1番から第88番までの札所を県別に整理しました。旅程を組む際の全体像としてご活用ください。

徳島県|発心の道場(第1番〜第23番)

番号 寺名 読み 所在地
1 霊山寺 りょうぜんじ 鳴門市
2 極楽寺 ごくらくじ 鳴門市
3 金泉寺 こんせんじ 板野町
4 大日寺 だいにちじ 板野町
5 地蔵寺 じぞうじ 板野町
6 安楽寺 あんらくじ 上板町
7 十楽寺 じゅうらくじ 阿波市
8 熊谷寺 くまだにじ 阿波市
9 法輪寺 ほうりんじ 阿波市
10 切幡寺 きりはたじ 阿波市
11 藤井寺 ふじいでら 吉野川市
12 焼山寺 しょうさんじ 神山町
13 大日寺 だいにちじ 徳島市
14 常楽寺 じょうらくじ 徳島市
15 国分寺 こくぶんじ 徳島市
16 観音寺 かんおんじ 徳島市
17 井戸寺 いどじ 徳島市
18 恩山寺 おんざんじ 小松島市
19 立江寺 たつえじ 小松島市
20 鶴林寺 かくりんじ 勝浦町
21 太龍寺 たいりゅうじ 阿南市
22 平等寺 びょうどうじ 阿南市
23 薬王寺 やくおうじ 美波町

高知県|修行の道場(第24番〜第39番)

番号 寺名 読み 所在地
24 最御崎寺 ほつみさきじ 室戸市
25 津照寺 しんしょうじ 室戸市
26 金剛頂寺 こんごうちょうじ 室戸市
27 神峯寺 こうのみねじ 安田町
28 大日寺 だいにちじ 香南市
29 国分寺 こくぶんじ 南国市
30 善楽寺 ぜんらくじ 高知市
31 竹林寺 ちくりんじ 高知市
32 禅師峰寺 ぜんじぶじ 南国市
33 雪蹊寺 せっけいじ 高知市
34 種間寺 たねまじ 高知市
35 清瀧寺 きよたきじ 土佐市
36 青龍寺 しょうりゅうじ 土佐市
37 岩本寺 いわもとじ 四万十町
38 金剛福寺 こんごうふくじ 土佐清水市
39 延光寺 えんこうじ 宿毛市

愛媛県|菩提の道場(第40番〜第65番)

番号 寺名 読み 所在地
40 観自在寺 かんじざいじ 愛南町
41 龍光寺 りゅうこうじ 宇和島市
42 佛木寺 ぶつもくじ 宇和島市
43 明石寺 めいせきじ 西予市
44 大寶寺 だいほうじ 久万高原町
45 岩屋寺 いわやじ 久万高原町
46 浄瑠璃寺 じょうるりじ 松山市
47 八坂寺 やさかじ 松山市
48 西林寺 さいりんじ 松山市
49 浄土寺 じょうどじ 松山市
50 繁多寺 はんたじ 松山市
51 石手寺 いしてじ 松山市
52 太山寺 たいさんじ 松山市
53 圓明寺 えんみょうじ 松山市
54 延命寺 えんめいじ 今治市
55 南光坊 なんこうぼう 今治市
56 泰山寺 たいさんじ 今治市
57 栄福寺 えいふくじ 今治市
58 仙遊寺 せんゆうじ 今治市
59 国分寺 こくぶんじ 今治市
60 横峰寺 よこみねじ 西条市
61 香園寺 こうおんじ 西条市
62 宝寿寺 ほうじゅじ 西条市
63 吉祥寺 きちじょうじ 西条市
64 前神寺 まえがみじ 西条市
65 三角寺 さんかくじ 四国中央市

香川県|涅槃の道場(第66番〜第88番)

番号 寺名 読み 所在地
66 雲辺寺 うんぺんじ 徳島県三好市
67 大興寺 だいこうじ 三豊市
68 神恵院 じんねいん 観音寺市
69 観音寺 かんのんじ 観音寺市
70 本山寺 もとやまじ 三豊市
71 弥谷寺 いやだにじ 三豊市
72 曼荼羅寺 まんだらじ 善通寺市
73 出釈迦寺 しゅっしゃかじ 善通寺市
74 甲山寺 こうやまじ 善通寺市
75 善通寺 ぜんつうじ 善通寺市
76 金倉寺 こんぞうじ 善通寺市
77 道隆寺 どうりゅうじ 多度津町
78 郷照寺 ごうしょうじ 宇多津町
79 天皇寺 てんのうじ 坂出市
80 国分寺 こくぶんじ 高松市
81 白峯寺 しろみねじ 坂出市
82 根香寺 ねごろじ 高松市
83 一宮寺 いちのみやじ 高松市
84 屋島寺 やしまじ 高松市
85 八栗寺 やくりじ 高松市
86 志度寺 しどじ さぬき市
87 長尾寺 ながおじ さぬき市
88 大窪寺 おおくぼじ さぬき市

第66番雲辺寺は、札所としては香川県の霊場に数えられますが、所在地は徳島県三好市です。また第15番・第29番・第59番・式サイトでは「國分寺」と旧字で表記される場合があります。

第88番大窪寺で88ヶ所すべてを巡り終えることを「結願(けちがん)」といいます。結願したあとは、第1番霊山寺に戻って報告する「お礼参り」をし、さらに和歌山県の高野山奥の院を訪れて弘法大師に報告するのが慣わしとされています。

まとめ|四国八十八ヶ所を無理なく巡るために

四国八十八ヶ所は、決まりに縛られた厳格な行事ではなく、自分のペースで向き合える巡礼路です。最後に要点を整理します。

  • 回り方は5通り。歩きは40〜50日、車は10〜12日、バスツアーは10回前後に分割。まず手段を決めれば日数と費
  • 費用の目安は車で15〜25万円、歩きで40〜60万円。納経料の44,000円と装束代は手段によらずかかる固定費です
  • 納経所は午前8時〜午後5時。2024年4月に1時間短縮されました。古い情報のまま計画すると行程が破綻します</
  • 順番は絶対ではありません。初めてなら第1番から順打ち、そして数回に分ける「区切り打ち」が最も現実的です
  • 作法は1ヶ所目で覚えれば十分。参拝前に納経所へ行かない、帰りに鐘をつかない、お接待は断らない。この3つません
  • 時期は春と秋が最適。冬は横峰寺など山間部の通行止めに注意し、夏は熱中症対策を徹底してください

まずは徳島県の第1番から第10番までを2〜3日で歩いてみることをおすすめします。自分、通しで回るか区切って回るかを決めても遅くはありません。

本記事の料金・日数は2026年7月時点の情報および一般的な目安です。納経料や各札所の受付時間などの最新情報は四国八十八ヶ所霊場会 公式サイトでご確認ください。

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